社会総合
「サユリの番組出演禁止は80年代の離婚女の出演禁止と同じ」 応援し始めた市民団体
韓国で活動するタレントで「自発的シングルマザー」として注目されているサユリこと藤田小百合さん(42)が家族・育児関連のテレビ番組に出演することをめぐり、騒動が拡大する中、「韓国ひとり親連合」などの市民団体が支援に乗り出した。
各団体は14日、ソウル市永登浦区のKBS新館前で、非婚出産に対するヘイト(嫌悪)勢力を糾弾する記者会見を開き「最近、サユリがKBSのバラエティー番組『スーパーマンが帰ってきた』に出演するとのニュースが伝わると『番組が健全でない家庭を奨励している』というヘイト発言がみられた」と説明した。その上で「サユリの出演を犯罪と規定し、番組廃止運動に乗り出すという主張もあった」とした。
団体のメンバーたちは「健全な家庭は『形態』ではなく『関係』によって決まるもの」だとして「公営放送であるKBSは、韓国社会が偏見に捉われないよう新たな家族の形をより積極的に見せなければならない」と主張した。また「非婚の母の家族は非正常家族ではない!」と書かれた垂れ幕を掲げ、「サユリの番組出演禁止は1980年代の『離婚女』の番組出演禁止と同じだ」「シングルマザーは『健全でない』家庭なのか?」というプラカードも持ち上げた。
藤田小百合さんは昨年11月に男児を出産した。藤田さんは精子の提供を受けており、夫で男児の父に当たる男性はいない。藤田さんは「子どもは欲しいが卵子が老化していて自然妊娠が難しいと診断された」として「だからといって子どもを生むために男性を見つけて慌てて結婚することもできなかった」と非婚での出産の理由を明かした。藤田さんは「シングルマザーは楽ではないと思うが、可哀想とか恥ずかしいというわけではないので、今以上に頑張って生きていきたい」と話した。
先月、藤田さんが育児バラエティー番組『スーパーマンが帰ってきた』に出演するというニュースが流れると、「非婚をあおる」として、青瓦台(韓国大統領府)ホームページの請願掲示板には出演に反対する国民請願まで書き込まれた。