■中国を恐れるのであればクアッドに加わるべき

-これまで韓国政府は「クアッドに参加している国からの加入要請はない」と主張してきた。「韓国が加入したくても日本が反対する」という見方もある。

 「その点についてはバイデン政権の関係者から直接話を聞いた。韓国がクアッドへの参加を希望するなら何の問題もないということだ。日本を含む全ての参加国も問題提起はしないということだった。クアッドがやるべきことの中で、韓国が同意できないことは何一つない。(東南アジアに)ワクチンを供給することや、安全なサプライチェーンの構築などだ。たとえ日本が反対したとしても、米国がこれを受け入れるようにしただろう」

-CSISは報告書の中で「韓国は米国と中国との対立から距離を置きたいと考えているが、それでもこの地域での孤立という代償を甘受してまでそうすべきではない。韓国を吸収できる勢力に囲まれた環境下において、領土の野心がない米国との同盟は韓国にとって絶対に必要だ」と提言した。それでも中国と仲たがいしたくない人間たちにどんな話をしたいか。

 「『ヘッジング』は韓国にとって長期的な戦略にはなり得ない。そんな戦略は使えない環境にあるからだ。韓国の利益にも、また韓米同盟の利益にも合致しない。韓国が(クアッド)参加国としての立場で中国に対抗するのであれば、今よりもはるかに強く出ることができる。もちろんクアッドの一員であっても中国に対抗することは韓国にとって容易なことではないだろうが、独自で中国の相手をするのはもっと大変だろう。過去4年間、民主的な価値は(トランプという)米国大統領と中国・ロシアから攻撃を受けた。自由主義的な国際秩序が崩壊しているので、中国が攻撃的になったのだ。他の国々が力を結集してその秩序を再び立て直せば、中国もそれに合わせて調整するしかない。空白が生じたから中国がその場を奪おうとしたのであり、空白がなくなれば変わってくるはずだ」

-韓米同盟の今後をどう展望するか。

 「バイデン政権の官僚たちと話をすれば、彼らも今の(文在寅)政権における北朝鮮というテーマ、そしてそれがいかに中国との関係を制約しているかを理解している。韓国政府にはあまり強い圧力はかけようとしていない。『クアッドに参加すべきだ』と圧力を加えることもプラスにならないことを官僚たちはよく知っているからだ。今バイデン政権は(外交・国防相)2プラス2会議だとか、(韓米日)3カ国安保室長会議のように韓国を含むメカニズムを最大限多く立ち上げようと努力している。米国と協議し、協力する習慣を徐々に築き上げ、少しずつソフトに(韓国という)船をこれまでと違う方向に向けようとしている。私が懸念することは、文在寅政権が任期末ということで北朝鮮問題において徐々に切迫感を増し、中国に対抗しようとしなくなる点だ」

 

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