中国の王毅外相(兼国務委員)が、日本の茂木敏充外相に対し「大国の対決に干渉するな」と威嚇した。米中間の摩擦が高まる中、日本が米国と密着する様子を見せたため、警戒に乗り出したものとみられる。

 

 中国外務省が6日に明らかにしたところによると、王毅外相は5日に行われた茂木外相との電話会談で「複雑な国際情緒に対し、中国と日本は長い間隣国であり、世界第2、3位の経済大国として時代の流れと国際情勢に順応しなければならず、地域と世界の平和及び発展のために共に積極的な役割を果たさなければならない」として上記のように述べた。まず中国が日本を上回る第2の経済大国になったという点に言及し、機先を制したというわけだ。

 王毅外相はさらに「(中国と日本)両国関係がいわゆる『大国の対決』に巻き込まれないよう確実にしなければなない」として「中国側は日本が独立自主的な国として客観的、理性的に中国の発展を見詰めるべきであり、偏見を持った国に引きずられないよう望む」と強調した。

 王毅外相はまた、日本と領有権紛争を繰り広げている尖閣諸島(中国名:釣魚島)と南シナ海での影響力拡大などの問題についても既存の立場を再確認した。王毅外相は「日本が新疆ウイグル自治区や香港など中国の内政に介入することに反対する」として、日本に国際法の遵守を求めるとともに、中国を尊重するよう要求した。

 ただし、東京五輪と北京冬季五輪の開催や来年の中日国交正常化50周年に関しては「両国の国民感情を改善し、安定的かつ健康な中日関係をもって次の50年を率いていこう」と提案した。会談中ずっと日本に強い圧力をかけていたことを意識したかのように、最後に融和の手を差し伸べたとみられる。

 中国外務省によると、茂木外相はこの日の会談で、米中同盟が第三者を狙ったものではなく、日本は中国との関係を非常に重視しており、中日関係の安定的な発展を目指す立場に変わりはないと強調した。茂木外相は、日本が中国との対話や意思疎通を強化し、意見の違いを統制しながら両国が準備している五輪の成功に向けて互いに支援することを願うとの立場も伝えた。

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