IT産業
ゲーム不買運動でNCソフトの株価7%安
3月3日に100万ウォンの大台を突破したゲーム開発大手NCソフトの株価が29日、前週末に比べ7.13%急落。年初来安値の83万4000ウォンで引けた。直近1カ月で下げ幅は12%近くに達した。業界関係者は「海外での新作の実績が期待に満たないことに加え、確率型アイテム論争がゲームユーザーの不買運動に発展し、事業リスクが高まった」と分析した。
確率型アイテムはゲームユーザーに強いキャラクターや優れた武器が得られるアイテムを抽せん形式で販売することを意味する。NCソフトの看板ゲーム「リネージュ」の場合、最高の武器を作るためには確率型アイテムを継続購入しなければならない。しかし、当せん確率はロトくじ並みに低く、射幸性が高いとして議論を呼んだ。NCソフトが昨年12月、モバイルゲーム「リネージュ2M」に導入した新たな確率型アイテムを巡っては、「数億ウォンをつぎ込んでも当たらない」という利用者の不満が聞かれる。こうした確率型アイテムの当せん確率の公開を義務化する規制の動きが政界でも起き始め、ネクスんなど一部業者は謝罪や確率公開へと動いた。
しかし、NCソフトは確率型アイテムに対する謝罪や対処策がないまま沈黙した。その間に確率型アイテムを1億6000万ウォン(約1550万円)相当購入したゲームユーザーの払い戻し要求が明らかになり、先月からインターネット上で「ノーNC」という不買運動が広がった。熱狂的ファンは海外のインターネット掲示板にも確率型アイテムの問題を広め、京畿道板橋本社前でトラックによるデモも行った。
24日にはインターネット上のゲーム関連掲示板に「リネージュMトラックデモ」の準備声明が投稿された。NCソフトが沈黙を続けていることに怒ったネットユーザーは「ゲーム業者が(確率型アイテムで)我々をどこまでだましてきたのか知りたい」とし、「(NCソフト側が)誠実な説明と謝罪、約束を行うまで決済は行わない」と語った。リネージュファンの男性ネットユーザーは「NCソフト相手の豚野郎解放戦争の宣告だ」といった過激な表現も使った。
NCソフトの対応は確率型アイテム論争が始まった直後、「ゲームアイテムの確率を透明に公開する」と表明したネクソンと比較される。ネクソンコリアのイ・ジョンホン代表は社内メッセージを通じ、「(確率型アイテムへの批判は)完全に自分を含む経営陣が受けるべきものだ」と謝罪し、全てのゲームでアイテム獲得確率を公開することを決めた。NCソフトの株価が急落する間、東証に上場しているネクソンの株価は3月に入り、約7%上昇した。
NCソフトの成長原動力である熱狂的ファンが背を向け、「リネージュ」シリーズのユーザーも減少している。ビッグデータ分析業者のIGAワークスによれば、3月第3週(15-21日)のリネージュMとリネージュ2Mのユーザーは1月第1週(昨年12月28日-今年1月3日)に比べそれぞれ30%、29%の純減となった。
NCソフトの業績にも赤信号がともった。同社の北米法人であるNCウエストが6期連続赤字となる中、24日に日本で発売した「リネージュ2M」のダウンロード数がグーグル、アップルのアプリストアで20位圏内にとどまるなど不振だ。新韓金融投資、大信証券など主な証券会社は29日、一斉にNCソフトの目標株価を引き下げた。