「東海(日本名:日本海)で始まる校歌を覚えている。甲子園大会で校歌が鳴り響くのを聞いたら涙が出そうになるだろう」

 韓国プロ野球・斗山ベアーズの申成鉉(シン・ソンヒョン、30)は18日、電話で「母校の京都国際高校が選抜高校野球大会(春の甲子園大会)に出場するというニュースを聞いてびっくりした」と語った。彼は韓国のプロ野球選手の中でただ1人、同校を卒業した。韓国系学校である京都国際高校は、外国系の学校としては初めて、全国大会である甲子園大会に出場を果たし、23日に第1回戦に臨む。

 申成鉉は「最初は母校が出場するというニュースに半信半疑だった。だが、一方では後輩たちはすごいと思った」と語った。彼はソウル市内の徳寿中学校を卒業した後、京都に留学した。当時、進路について悩んでいたところ、「日本の大学や社会人野球を経験してみなさい」という父親のアドバイスを受け入れたものだ。

 申成鉉は「2006年に入学した時は全校生徒が100人にもならなかった。野球選手は在日僑胞(韓国系の日本在住者)と日本人選手を合わせて22人で、韓国国籍の選手は8人だった」「1年生の時は球拾いで忙しかったが、2年生になると、当時の在日僑胞の監督が4番打者を任せてくれて、その時から卒業までずっと4番打者としてプレーした」と言った。申成鉉がいた時の京都国際高校の最高成績は、72チームが出場した地域大会でベスト8だった。

 申成鉉は同校卒業後の2009年に広島カープに入団した。しかし、ずっと2軍止まりで戦力外通告を受け、2013年に金星根(キム・ソングン)監督がいる韓国の独立球団・高陽ワンダーズで再び野球に挑んだ。2015年にハンファ・イーグルスに入団、2017年のシーズン途中に斗山に移籍した。韓国での6シーズンの成績は247試合打率2割3分、15本塁打だ。

 斗山は左打者であるホセ・フェルナンデスとキム・ジェファンとのバランスを取る右打ちの巨砲としての役割を申成鉉に期待している。しかし、申成鉉はまだレギュラーポジションをつかめずにいる。今季はキム・ミンヒョクと一塁レギュラーのポジションを争っているところだ。

 17日、ソウル・蚕室球場で行われたLGとの練習試合で安打を出した申成鉉は「後輩たちのおかげで、私も力が自然にわいてきた。今年、高校の後輩たちが成し遂げた成果のように私も、韓国プロ野球で確固たる位置を確立したい」と抱負を語った。

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