北朝鮮総合
「同志」の代わりに「オッパ」を使う北の若者、当局が大々的な韓流一掃キャンペーン
北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が7日、住民の話し方、身なり、化粧法を指摘する記事を相次いで掲載した。昨年末、「南朝鮮の映像物を流布したら死刑」など極端な処罰条項を盛り込んだ反動思想文化排撃法を制定するなど、大々的な韓流一掃キャンペーンに乗り出した北朝鮮の「嫌韓傾向」が徐々に強まっているようだ。
労働新聞は同日、「平壌文化語を積極的に生かして使おう」という記事で、「高尚でない言語生活は集団の和睦(わぼく)や団結をひび割れさせ、社会に良くない影響を与えることになる」とする一方、平壌語の使用を「あらゆる異色的かつ不健全な思想文化と生活様式の浸透から、我々の民族性を固守できるかどうかという問題だ」と規定した。
具体的な説明はないが、北朝鮮全般に広がっている「南朝鮮の言葉遣い」をターゲットにしているものと見られている。最近、韓国に来た脱北者によると、韓国ドラマなどの影響で北朝鮮の若者の間では、韓国式の話し方が広く使われているという。平壌で大学に通い、2019年に脱北朝鮮A氏は「北朝鮮の大学での(仲間・友人の)呼称は『ドンム』『ドンジ(同志)』が原則だが、南北の交流が活発だった2018年以来、『オッパ(お兄さん)』『チャギヤ(あなた)』を使う人が急増した」と話す。2019-20年に放映されたドラマ『愛の不時着』に出てきた「君が将軍様?」というセリフも北朝鮮で大流行したという。
同紙はまた、「身なりを時代のニーズに合わせて」という記事で、「服装や髪型、化粧などの外見を上品で端正にすることは道徳的に非常に重要な問題」「我々女性たちは身なりを高尚で美しくすることで、文明的な生活気風があふれるようにしなければならない」と書いた。
北朝鮮当局が住民の話し方や身なりを統制・取り締まるのは昨日今日のことではないが、反動思想文化排撃法の制定以来、その頻度と強度が明らか強まっている様子だ。この法律には韓流コンテンツ視聴・流布に対する処罰だけでなく、「南朝鮮の言葉遣い・唱法使用時は懲役刑」などの条項も盛り込まれている。