▲画家・李仲燮の1955年の作品「闘鶏」/国立現代美術館

 画家・李仲燮(イ・ジュンソプ)=1918-56=の英語の名前は何なのか?

 李仲燮美術館側は最近、運営委員会を開いてこの問題を深く話し合った。韓国を代表する画家であるにもかかわらず、これまで明確な英文表記法がなく、展示場や図録ごとに異なる表記がなされて混線を起こしてきたからだ。専門家14人の議論の結果、李仲燮の英文表記は「Lee Jungseop」で確定した。李仲燮没後64年を経ての確定だ。

 

 李仲燮はこれまで、幾つもの名前で記されてきた。1955年に美都波画廊で展示が行われた際の英語の説明書では「Lee Choong Sup」と、71年のユネスコ(国連教育科学文化機関)韓国委員会「モダン・コリアン・ペインティング」展示の際には「Yi Chung-sŏp」と紹介された。79年の李仲燮記念事業会作品集では「Lee Joong-Sup」、99年のギャラリー現代展示会では「Lee Joong Sub」となっていて、最も新しい『国立現代美術館所蔵品300』英文本(2021年1月27日発行)では「Lee Jung Seob」と表記された。キュレーターのチョン・ウンジャ氏は「韓国の偉大な画家を外国にPRする際には一貫性が必要」とし「現在の国立国語院のローマ字表記法に依拠すると最終決定し、今後、国公立美術館などに協力を要請することとした」と語った。

 韓国式の名前の場合、その特性故に英文表記が複雑なので、統一された表記法のための議論を始めるべきだという指摘がなされている。例えば、画家の都相鳳(ト・サンボン)=1902-77=は「To SangBong」と「To Sang-Bong」と「Do Sangbong」が混用され、同じく画家の権玉淵(クォン・オクヨン)=1923-2011=もまた図録によって「Kwon OkYon」「Kwon OkYeon」「OkYeon Kwon」とばらばらだ。現在、文化体育観光部(省に相当)の芸術経営支援センター(芸経)が2018年から「韓国美術多国語用語辞典」を制作し、団体名・固有用語の外国語表記を次第に増やしていっているが、人名の統一計画は整備されていない状態だ。芸経関係者は「画家の家族や本人が確定させた英文名があれば確実だが、つづりが極めて多様なので難しさがある」と語った。

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