米中対立が激しくなった場合、中日両国が領有権を主張している尖閣諸島(中国名、釣魚島)周辺で米中が先に衝突するとの見方が出始めている。米CNN放送は29日、中国は尖閣諸島、台湾海峡、南シナ海で軍事訓練などを行うことで、米国のバイデン政権がこれにどう対処するか見極めようとしていると報じた。

 このニュースでとりわけ注目される部分は尖閣諸島だ。5つの無人島からなる尖閣諸島は日本の沖縄県石垣島からおよそ170キロ離れている。日本が2012年に尖閣諸島を国有化し、中国がこれに強く反発したため、今では両国関係のリトマス試験紙になっている。またトランプ前大統領の時から米国のトップ自ら尖閣保護を明言してきたため、この問題は中日間の問題ではなく米中間の問題になりつつある。その点から中国が米国の動きを見極めるため、この周辺で先に対立を引き起こす可能性が考えられるというのだ。

 中国は来月1日から尖閣などを担当する海警局の権限を大幅に強化する。中国が主張する管轄海域で、違法行為の取締りを口実に他国の船舶に対して退去などの命令を下せるようになり、緊迫した状況では武器の使用も認めるというものだ。中国海警局の権限強化は日本が実効支配している尖閣諸島を念頭に置いたとの見方が有力視されている。

 日本側の主張によると、昨年中国の公船による尖閣諸島周辺の接続海域(領海近く)における航行は333日と過去最多だった。同年5月には日本が主張する領海を中国の公船が審判し、日本の漁船を追跡する事件も起こった。最近も毎日のように尖閣周辺に中国の公船が出没し、日本を緊張させている。

 このような中国の動きに対し、今月20日に発足した米国のバイデン政権は大統領、国務長官、NSC国家安全保障補佐官らが直接「尖閣保護」を明言した。尖閣諸島で問題が発生した場合、米国が直ちに介入することを明確にしたのだ。

 これについて日本経済新聞は29日、尖閣諸島をめぐる緊張が高まる中、米軍と自衛隊が尖閣諸島での緊急事態を念頭に置いた共同作戦計画をとりまとめていると報じた。

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