ソウル中央地裁は28日、チョ・グク元法務部長官の息子に2017年に法律事務所での虚偽のインターン確認書を発行し、大学院入試に提出させたとして、業務妨害の罪で起訴された崔康旭(チェ・ガンウク)開かれた民主党代表に対し、「入試の公正性を損ねた」として、懲役8月、執行猶予2年の判決を言い渡した。今後一審の判決が確定すれば、崔代表は議員資格を失うことになる。崔代表は現政権で青瓦台の公職紀綱秘書官を務め、昨年の総選挙で比例代表から当選した。政界からは「虚偽証明書を発行した罪など3件の裁判を受けることになった人物が青瓦台で公務員の綱紀を担当し、幹部公務員の人事検証を行っていたとはブラックコメディーだ」との声も漏れる。

 ソウル中央地裁は「崔代表が弁護士時代に発行したインターン確認書は記載内容と(チョ元長官の息子の)実際の研修内容が一致しない」と指摘した。2017年10月に延世大、高麗大の大学院入試に提出したインターン確認書によると、チョ元長官の息子が17年1月から10月まで週2回、計16時間にわたり、崔代表が所属していた法律事務所でインターン業務に就いていたことになっている。これについて、同地裁は「1回平均12分のインターン活動をしたということだが、そういう仕事は多くないと思われる」と指摘した。

 崔代表はこの事件のほか、2件の事件でも追起訴され、計3件の裁判を受けている。崔代表は昨年4月の総選挙運動期間に虚偽のインターン証明書を発行した容疑を公に否定し、公職選挙法違反で起訴されたほか、いわゆる「チャンネルA事件」に絡み、イ・ドンジェ元記者の発言をでっち上げ、ソーシャルメディアに広め、名誉毀損の罪でも起訴されている。

 崔代表はソウル大法学部を卒業し、1994年の第11回軍法務官試験に合格した。チョ元長官の大学の後輩であり、大学院では師弟関係にあった。崔代表は18年9月、青瓦台の公職紀綱秘書官に任命された。当時の民情首席秘書官はチョ元長官だった。

 崔代表が検察の捜査対象になったのは、チョ元長官が19年7月、民情首席秘書官を退任し、法務部長官に指名されたことが契機だった。検察がチョ元長官の捜査過程で崔代表がチョ元長官の息子に虚偽のインターン証明書を発行していたことをつかんだのだ。チョ元長官に対する人事検証は公職紀綱秘書官室が担当していたため、当時秘書官だった崔代表による検証に問題があったとする論議も持ち上がった。

 崔代表は昨年1月、検察に起訴されると、弁護士を通じ、「検察権を乱用した起訴クーデター」だと検察を非難した。崔代表は昨年3月末、ラジオ番組に出演し、「文書偽造は自分ではなく、尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長の義母が行った」と発言。昨年4月の初公判では、「不法で政治的な起訴」だと主張した。一貫して起訴事実を否認した崔代表は昨年3月、公職紀綱秘書官を退き、総選挙に出馬して当選した。

 崔代表は選挙運動期間、チョ元長官の息子に対する虚偽のインターン確認書発行を否定していた。このため、検察は崔代表が虚偽事実を公表し、公職選挙法に違反したと判断。昨年10月に崔代表を追起訴した。今回崔代表は虚偽インターン証明書発行が一審で有罪となり、公職選挙法違反の裁判でも有罪判決が下される可能性が指摘されている。

 崔代表は「チャンネルA」事件に関連しても、昨年4月3日、フェイスブックに「チャンネルA記者のイ・ドンジェ氏がイ・チョル元バリューインベストメントコリア代表に『事実でなくてもいいから、(柳時敏=ユ・シミン=氏に)カネを渡したと言え』などと発言した」と書き込んだ。しかし、検察は最近、崔代表のそうした発言内容を虚偽と判断し、名誉毀損罪で追起訴した。

 崔代表は一貫して無罪を主張している。しかし、崔代表のそうした主張はこれまでの検察の捜査や裁判で確認された内容とはかけ離れている。実際に一審ではチョ元長官の妻、チョン・ギョンシム氏の表彰状偽造などを有罪とし、懲役4年の判決が下された。崔代表は判決後、「遺憾だ。私の法律の常識は常識ではなかったようだ」と語った。

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