▲呂健二(ヨ・ゴニ)在日本大韓民国民団(民団)中央本部団長(73)が13日、東京都港区の民団事務所で本紙とのインタビューに応じた。写真=李河遠(イ・ハウォン)東京特派員

呂健二民団団長インタビュー

 12日、東京都内の帝国ホテルで在日僑胞社会を代表する在日本大韓民国民団(民団)の新年会が、200人余りが出席した中で開催された。新型コロナウイルス緊急事態宣言が出た状況にもかかわらず、日本側からは連立与党を組む公明党の山口那津男代表、日韓議員連盟の額賀福志郎会長ら与野党の中堅議員19人が出席した。しかし、新年会には昨年とは異なり、文在寅(ムン・ジェイン)大統領のビデオメッセージがなかったほか、南官杓(ナム・グァンピョ)駐日大使の姿もなかった。

 呂健二(ヨ・ゴニ)在日本大韓民国民団(民団)中央本部団長(73)は同日、新年の辞で、韓国の裁判所の慰安婦賠償判決後、「日本で暮らしている100万人の在日僑胞の生活と未来が再び不安になるのではないか」と強い口調で不満を口にした。「最近の状況は1973年の金大中(キム・デジュン)拉致事件以降で最悪だ。日本で暮らす私たちは安定した生活を望んでいる」と韓国政府が一日も早く問題解決に乗り出してくれるよう促した。韓国政府から毎年80億ウォン(約7億5700万円)の支援を受けている民団の団長が、新年会で公に不安を訴えるのは珍しいことだ。13日、民団団長事務室で同団長に会い、その理由を尋ねた。

-在日僑胞が不安になっているというのはどのような意味なのか。

「日本人は韓国人が経営する店に行く時、その店が南側(韓国側)なのか、北側(北朝鮮側)なのかを問いただす。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の店にはもう行かない。ところが、(慰安婦判決などで)『韓国は約束を守らない国』だという雰囲気が広がれば、僑胞が経営する店も客が途絶えることになる」

-どれくらい状況が良くないのか。

「2018年の徴用賠償判決以降、不安を訴える人々が出ている。昨年も地方の民団本部に石が飛んできて、ガラスが割れたことが数件あった。ここにも正門前にパトカーがいなければ、右翼が集まってくる」

-日本社会の差別はかなりなくなったのでは。

「違う。今もかなりある。最近は『やはり朝鮮人だな』とよく言われる」

-12日の新年の辞で、「文在寅大統領に『最近の状況は在日僑胞の生死がかかった問題だ』と言った」と言及したが。

「2019年の大阪G20サミット(20か国・地域首脳会合)時の在日僑胞の集まりで、文大統領がいる中でそのように話した。しかし、文大統領の反応はなかった。『在日僑胞が苦労しているのは知っている』という一般的な言葉だけあった」

-「在日僑胞は故郷が二つ」と言ったことがあるが。

「韓国社会がその部分を考えてくれればうれしい。我々には親が生まれた韓国も、自分が生まれた日本も重要な場所だ。在日僑胞はどちらの国にも貢献したい。それが普通の人間として当然ではないか。ところが、『日本に留学した人はすべて親日派』と小さい子どものように話すのがもどかしい」

-2015年に結んだ韓日慰安婦合意が事実上、破棄されたことについてはどう思うか。

「それはあり得ないことだ。もしそれが不平等条約だと考えるならば、外交を通じてそれを正すための努力をすればよい。大韓民国は李承晩(イ・スンマン)政権の時からすべてつながっているではないか。過去の韓日合意を批判するのはいいが、合意の正当性を認めなければ根本が崩れる」

-民団は韓国政府がどのようにすることを望んでいるのか。

「司法府が判断を下しても、政権が両国関係を考慮して、政府がすべきことをしなければならない。司法府の判断後は、政府が介入して日本と未来志向的に問題を解決してほしい。どのようにしてでも、口の中の小骨を取らなければならない」

-韓国与党の民団と朝鮮総連との合併要求は今も続いているのか。

「北朝鮮と密接につながっている朝鮮総連の歴史を知れば、そのようなことは言えない。朝鮮総連は法的に日本の監視と制裁を受けているのに、どうして合併できるだろうか。そうなったら、我々(民団)も日本政府の監視対象となる。私は、そう言うことを言う国会議員たちには『もう少し勉強してほしい』と言っている」

-韓日関係はどのように進んでいくべきか。

「歴史はビジネスとは違う。事業はプラス・マイナスがはっきり計算できるが、歴史はそのように清算できるものではない。対話をして仲良く過ごす方法が何なのかを見つけなければならない。そのように対話で解決しなければ、両国とも経済的損失を被ることになる」

ホーム TOP