与党共に民主党の鄭清来(チョン・チョンレ)議員は28日、執行停止決定の申し立てが訴訟本体の実益を害する場合、執行停止の申し立てをできなくする内容の行政訴訟法改正案を発議することを明らかにした。鄭議員は同改正案を「尹錫悦(ユン・ソクヨル)防止法」と命名した。

 鄭議員は「2016年に憲法裁は本案判決に先立ち、仮処分申請が訴訟本体を揺るがしてはならないとする趣旨でこれを合憲としている」と説明した。その上で、「現行法では既に処分などの執行または手続きの続行を停止することで目的を達成できる場合、処分の効力停止を認めないとしているが、裁判所の恣意(しい)的で偏った判断によって仮処分が認められる場合がある」と指摘した。

 ソウル行政裁は今月24日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長に対する停職2カ月の処分の執行を停止する決定を下した。裁判所は今後、懲戒処分取り消しの是非を争う訴訟本体の審理に入る。これに先立ち、尹総長が懲戒取り消しを求める訴訟を起こした際、同時に判決が言い渡されるまで処分の執行停止を求め、裁判所がそれを認めたものだ。

 鄭議員はそうしたケースについて、「法治主義および本案の『先取禁止原則』に反する。バスが通り過ぎた後でバスを止めようとして何になるのか。尹錫悦氏(のような)事態を防止しなければならない」と主張した。尹総長のような任期制公務員の場合、訴訟本体の判決に先立ち、勝訴と同様の効果が得られるのは不当だとの立場だ。

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