事件・事故
目が見えないと医師をだましてメダルまで獲得したパラリンピック韓国代表
健常者の柔道選手を視覚障害者であると欺き、パラリンピックなど複数の国際大会に出場させた障害者柔道・韓国代表チームの監督が身柄を拘束された。パラリンピックで金・銀・銅メダルを獲得した選手らも裁判を受けることになった。彼らが国から受け取った報奨金は総額で1億2000万ウォン(約1130万円)に上る。
ソウル南部地検・環境保健犯罪専門部(チャン・ギョンジン部長)は1日、障害者柔道・韓国代表チーム元監督のパク某氏を業務妨害・補助金管理に関する法律違反の容疑で逮捕・起訴し、選手13人を在宅で起訴したことを明らかにした。
パク氏は2014年7月から18年12月まで、健常者の柔道選手らを連れて病院に行き、視力検査で虚偽の結果を出させて視覚障害の診断書を受けた。選手選抜の権限があったパク氏は直後に彼らを視覚障害者・柔道の韓国代表に選抜した。
視覚障害選手の基準は視力0.1以下だが、この診断を受けるため選手たちは目が見えない「演技」を行った。眼鏡を外して病院に行き、パク氏の腕をつかんで移動した。診断を行った医師に対しては、見えるものも見えないとうそを言った。検察は彼らの視力が悪くないことを示す別の検査結果を確保している。
彼ら13人の「偽視覚障害者選手」は2014年に仁川で開催されたアジア・パラリンピック競技大会と、18年にインドネシアのジャカルタで開催された同大会の柔道競技に出場した。とりわけ金メダル7個、銀メダル3個、銅メダル4個を獲得したジャカルタでの大会では、韓国代表として柔道に出場した選手15人のうち11人が偽の視覚障害者だった。
彼らのうち11人はパラリンピックでメダルを獲得し、またアジア・パラ競技大会でも金メダルを獲得するなど、複数の国際大会で優れた成績で入賞したことから、少なくとも130万ウォン(約12万3000円)から多い場合は4292万ウォン(約404万7000円)を韓国政府から報奨金として受け取った。選手らが不正に受け取った報奨金は総額で1億476万ウォン(約987万7000円)に上る。監督のパク氏も報奨金などとして1546万ウォン(約145万8000円)を受け取った。
検察は「被告らは他の視覚障害選手たちのチャンスを不正に奪った。今後も、不正でなおかつ社会の公正性を脅かすスポーツ関連の重大犯罪に対しては厳正に対処する」とコメントした。大韓障害者体育会の関係者は「以前は障害者福祉法に基づく障害者登録証がない場合でも、障害者スポーツ等級さえ受ければ国際大会に出場できたが、この事件を受け、今後は障害者登録を国際大会出場のための必須条件とするようルールを改正した」と説明した。