秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官が尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長に対し、職務停止、監察、捜査依頼、懲戒委員会への送致などさまざまな措置を取る過程で現行法に明らかに違反するさまざまな脱法・不法行為を犯しているとの声が上がっている。法律専門家らはそれに加担した秋長官系の検事らが今後捜査対象になり得ると指摘している。

 ▲秋長官は11月24日、尹総長に職務停止命令を下した。主な理由の一つに「判事査察」疑惑を挙げた。それに先立ち、「捜査参考資料」の形式で関連資料を大検察庁監察部に送った。検察庁法8条は「法務部長官は具体的事件に対しては、検察総長のみを指揮・監督する」と定めている。しかし、秋長官は総長を飛び越え、大検察庁監察部に直接指示しており法律違反だ。

 ▲大検察庁監察部は「判事査察」疑惑に関連し、25日に大検察庁捜査情報政策官室に対する奇襲的な家宅捜索を行った。家宅捜索は監察が捜査に切り替わったことを示している。大検察庁の委任専決規定は重要事件の監察を捜査に切り替える際、検察総長に事前報告することになっている。当時は趙南寛(チョ・ナムグァン)大検察庁次長検事が検察総長の職務代行を務めていた。大検察庁監察部はそれを趙次長検事には報告しておらず、規定違反だ。

 ▲許丁穂(ホ・ジョンス)大検察庁監察3課長は11月25日、大検察庁の家宅捜索過程で法務部の沈載哲(シム・ジェチョル)監察局長、朴恩貞(パク・ウンジョン)監察担当官と通話した。現場の目撃者は許課長が2人と電話中、「まだ(証拠が)出ていません」と話したという。秋長官の側近である沈局長らから「判事査察」疑惑関連の文書をさらに見つけ出すよう指示を受けていた可能性が高い。事実であれば、検察庁法8条に違反する。

 ▲大検察庁監察委員会の運営規定2条は、大検察庁監察部長は重要監察事件について、事前に義務的に監察委に上程し、監察が適正かどうか判断を受けることになっている。韓東洙(ハン・ドンス)監察部長は「判事査察」疑惑の監察を委員会に送致しなかったことが分かった。規定違反に当たる。

 ▲秋長官は11月24日、尹総長の職務停止を発表する直前、総長の職務停止に反対意見を具申した沈雨廷(シム・ウジョン)法務部企画調整室長を事件の決裁から排除したことが判明した。「不当な手続き」による職務停止決定と言える。尹総長が今後、懲戒取り消しを求めて提訴した場合、裁判所はこれを懲戒取り消しの主な根拠と見なす可能性がある。

 ▲秋長官が11月26日、尹総長の「判事査察」疑惑で大検察庁に捜査を依頼した際、それに反対していた柳ヒョク(リュ・ヒョク)監察官も決裁から外れた。これも裁判所が「不当な手続き」による懲戒の根拠と判断する可能性が高い。

 ▲尹総長の監察に加わった李貞和(イ・ジョンファ)大田地検検事は本人が「判事査察疑惑は罪にならない」という意見を報告書に盛り込んだが、法務部が尹総長の捜査を依頼した際、その部分を何の説明もなく削除したと暴露した。刑法上の公文書変造罪に当たる可能性がある。

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