社説
【社説】韓国軍の監視カメラに中国のハッキング用部品…ファーウェイ疑惑を深刻に考えるべきだ
韓国軍が接境地域に設置する215台の監視カメラが、中国の悪性コード流布サイトに接続するよう設定されていたという。監視カメラの撮った映像情報が外部にまるごと流出しかねない、ということを意味する。韓国陸軍は、この監視カメラの納品契約を韓国国内の企業と結んだが、核心部に中国産のパーツを使っているということを後になって把握し、点検を行う過程で悪性コードを発見することになった。
まさしくめまいを起こしそうな事件だ。休戦ラインからの敵の侵入を監視する韓国の警戒装置がどこに設置してあって、どのように運用しているのかを、中国に隅々まで覗き見られてしまうところだった-というわけだ。この情報が中国を経由して北朝鮮に伝えられていたら、どうなっていたか。北のスパイが韓国側の休戦ライン警戒状況を手のひらの上で眺めつつ出入りできる、という状況が広がることになる。
事前に発見して情報流出を防いだのだから問題ないという形であいまいにやり過ごせる事件ではない。個別の企業の対外取引も共産党の統制下で行われる中国の体制の特性上、今回の事件の背後にも中国当局が存在しているかもしれない、とみるべきだ。中国政府に真相究明要求をしなければならない。それでこそ再発を防げる。
今回の事態は、中国の通信装置メーカー「ファーウェイ(華為技術)」がバックドア(ハッキング技術)を通して安全保障関連の機密事項を盗み出し、中国政府に渡すだろうという米国政府の警告を思い起こさせる。韓国政府と韓国軍当局は、安全保障関連のデリケートな施設で中国製の装備を使用しているかどうか、全面的に再調査すべきだ。企業が使っている中国製通信装置についても、「民間側で考慮し、判断すること」という形で放っておくべきことではない。