▲サムスン電子が今年第3四半期に米国防当局と共に企画・開発した軍事用スマートフォン「ギャラクシーS20タクティカル(TE)」。/写真=サムスン電子

 実際の戦争もスマートフォンでやる時代の幕が開けた。今後、韓国で戦争が起きたら、韓国軍は「サムスン・ギャラクシーS20」スマートフォンを通して特殊戦を指揮する。

 防衛産業界が20日に明らかにしたところによると、防衛事業庁(防事庁)は「商用スマートフォン基盤小部隊戦闘指揮システム」構築のため、事業入札に応じたLIGネクスウォン、ハンファ・システムの中からLIGネクスウォンを最終選定した。

 この事業の目的は、最新のスマートフォンと無線機を連結し、戦闘員相互間の戦闘状況をリアルタイムで共有することだ。各小隊以下の戦闘員に個人戦闘指揮システムを適用し、戦場での優位を占めることを目標とする。伝統的な無線システムより軽量化、暗号化されたシステムで戦場の状況に関する情報をリアルタイムで共有し、機動戦を指揮統制できる。

 音声やデータ通信を通して敵の状況についての情報、戦闘・射撃命令、状況報告および警報の伝達など、効果的な戦闘遂行と作戦指揮が可能だ。指揮統制、非定型電文、防空・化生放(CBN)警報などの緊急電文の送受信と文字化の機能もサポートする。

 これにより、作戦隊員が複雑な地形で方向を定めたり部隊との通信途絶が発生したりする場合に有用だ。防事庁はまず年内に、陸軍および海兵隊の部隊を選抜して180セットを配分し、試験運用を行う。今後、特殊戦を遂行する全部隊へ順次普及していくことが予想される。

 ここでLIGネクスウォンは、防事庁が提示した条件に合わせ、ギャラクシーS20を基盤とした戦闘指揮システムを構築する計画だ。先ごろサムスン電子が米国防当局に供給したギャラクシーS20の軍事用モデル「ギャラクシーS20タクティカル(TE)」に類似した形態になる見込みだ。

 ギャラクシーS20TEは、サムスン電子の2番目の軍事用スマートフォン。米国防総省と共に企画・開発した。サムスン電子は、過去にも軍事用スマートフォン「ギャラクシーS9タクティカル・エディション」を開発し、米軍に供給した経験を持つ。

 ギャラクシーS20TEは、ディスプレー・プロセッサー・メモリー・カメラ・サイズおよび重量などのスペックは一般のギャラクシーS20モデルと同一だが、耐久性やセキュリティー性能を強化しているのが特徴。山岳、ジャングル、砂漠など地形地物を問わず使用できる特殊ケースを取り付ける形態になっている。

 この製品は、自動タッチ感度調節機能によりグローブをはめたままでもディスプレー操作が可能だ。機器の画面を、胸部に取り付けた状態から横モードへ簡単にロック解除できる。ボタンを押せば、最もひんぱんに使うアプリを素早く実行する。

 ギャラクシーS20TEは、特に多様な軍事作戦に必要なSW機能が搭載された。▲夜間暗視装置を着用した際、ディスプレーを自動で点灯したり消したりできる「ナイトビジョン・モード」▲秘密作戦時に敵に見つからないよう、LTE(ロングターム・エボリューション)やRF(ラジオ波)など無線信号を安全に遮断できる「ステルスモード」▲暗い場所でも鮮明に作戦映像を撮影し、共有できる「インテリジェンス・キャプチャーモード」だ。

イ・ギョンタク記者

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