▲2016年10月、韓国人男性2人と女性1人が頭を撃たれて亡くなっているのが発見されたフィリピンのパンパンガ州バコロール市郊外のサトウキビ畑の様子。現地の警察が立ち入り禁止線を張っている。/写真=聯合ニュース

 4年前にフィリピンで韓国人男女3人を殺害して遺体を遺棄した「サトウキビ畑殺人事件」を巡り、42歳のパク容疑者が現地の警察に逮捕された。

 フィリピンで韓国人3人を殺害した容疑で検挙されたものの現地の刑務所から脱獄したパク容疑者は、今月28日午後にフィリピンのラグナ地方で現地の警察によって検挙されたという。韓国警察庁外事局が30日に明らかにした。

 事件は4年前にさかのぼる。2016年10月11日午前、フィリピンのパンパンガ州バコロール市郊外のサトウキビ畑で、韓国人男性Aさん、Bさんと女性Cさんの遺体が発見された。発見当時、3人とも頭を撃たれており、Aさんは足、Cさんは手首がテープで縛られている状態だった。

 韓国警察庁の関係者は「3人とも側頭部のこめかみ付近に銃口を押し当てて撃った形態の銃創ができており、Aさんは穴の中に投げ込まれた状態で発見された」と語った。偶発的な銃器の事故とはみなし難い「計画的殺人」の可能性が高い、という声が上がった。

 遺体の送付を受けた韓国外交部(省に相当、以下同じ)は、発見翌日の10月12日、3人が韓国人であることを確認した。韓国警察庁の関係者によると、3人とも韓国で手配中の犯罪者ではなかった。3人は韓国で140億ウォン(現在のレートで約12億9000万円)台のマルチ金融詐欺をはたらいた容疑で告発され、フィリピンに逃亡したことが分かった。

 パク容疑者は事件発生からおよそ1カ月後、現地で検挙された。パク容疑者は2010年からフィリピンで事業を営み、3人と知り合いになってひんぱんに付き合っていた。現地警察と共助捜査を繰り広げた韓国警察は、被害者らが最後に泊まった建物でパク容疑者の指紋を発見した。警察は、パク容疑者が事件の3日後、フィリピンのあるカジノに被害者らが預けておいた7億ウォン(約6440万円)を取りにいった事実を確認し、有力な容疑者とみて追跡に乗り出した。パク容疑者は2016年11月17日、フィリピンの首都マニラのコンドミニアムで逮捕された。

 パク容疑者が捕まった数日後、韓国警察はパク容疑者の共犯であるキム容疑者を慶尚南道昌原で逮捕した。日雇い労働者のキム容疑者は、平素からの知り合いであるパク容疑者から「カジノ事業に投資した人々が原因でかなりストレスを受けているので、1億ウォン(約920万円)やるから一緒にこの人々を処理しよう」と提案され、犯行に及んだことが分かった。

 2016年に検挙されたパク容疑者は、17年3月に脱走して捕まり、昨年10月に再び脱獄して手配されていた。韓国警察庁は「容疑者の速やかな送還のためフィリピン当局および韓国法務部と協議を進める予定」とコメントした。

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