政治総合
「尹美香、寄付金・公金1億ウォンを217回に分けて生活費に流用」
旧日本軍の慰安婦被害者支援団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」の前理事長で与党「共に民主党」所属の尹美香(ユン・ミヒャン)議員は14日、業務上横領の罪などで在宅起訴されたことを受け「検察は私が募金に個人名義の口座を使ったことが業務上横領だと主張しているが、集めた寄付金は全て公的な用途に使われ、尹美香個人が私的に流用したことはない」と反論した。法曹界からは「責任逃れのための的外れな反論だ」との反応が出ている。
本紙が検察に取材した内容などを総合すると、尹議員は横領金1億37万1000ウォン(約900万円)を217回に分けて使用した。検察は、尹議員がこの金を買い物や交通費、食費などの生活費として使ったとみている。一部は現金で引き出しており使途が不明だ。公的な用途で使ったとは考えられないというわけだ。
検察によると、尹議員は自身の個人口座に2012年から、コンゴ内戦の被害女性を支援するために設立された「ナビ基金」、ベトナムの井戸掘削事業、慰安婦被害者の吉元玉(キル・ウォンオク)さんの渡欧費用、故・金福童(キム・ボクトン)さんの弔慰金などの名目で、3億3000万ウォン(約3000万円)の寄付金を集めた。検察は、尹議員がこのうち5755万ウォン(約515万円)を個人的に使ったとみている。
また、尹議員は2011年1月、韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)の口座にあった32万ウォン(約2万8700円)を自身名義の口座に勝手に移し、個人的に使った。このようなやり方で18年5月までに挺対協の口座から個人口座に2098万ウォン(約188万円)を移して使用した。
また、18年から今年3月にかけ、ソウル市麻浦区の慰安婦被害者向け施設の運営費用を保管していた職員名義の口座から2182万ウォン(約195万円)を自身の個人口座に振り込ませて使ったことが調査の結果分かった。尹議員は公金の使用についても、使途を明確に記した文書を残していなかった。
検察は、個人口座にあった寄付金を尹議員が任意で使っただけでなく、自身が運営する団体の公金を勝手に使った問題について指摘したが、尹議員は「検察は、募金に個人名義の口座を使用したことが業務上横領だと主張している」と的外れな反論をしているわけだ。
ある検察出身の弁護士は「『慰安婦被害者のおばあさんたちのために善意で集めた募金だが、詳細な法的条項を確認していなかった』というシナリオに基づいた反論だとみられる」と指摘した。
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