韓国軍
徴兵:「今や志願制を考えてみるべき時期になった」
韓国兵務庁の牟鐘和(モ・ジョンファ)庁長は18日、「兵役資源の減少、第4次産業革命、多元化する安全保障上の脅威を考慮すると、中長期的には志願制も検討対象になり得る」とし「今や韓国も(志願制を)考えてみるべき時期」と語った。
牟庁長は、20日の兵務庁創設50周年記念日を前に本紙のインタビューに応じ、「安全保障の状況や財政条件などを考慮すると、直ちに志願制を導入するのは難しい」と前置きしつつ、このように語った。牟庁長は「まずは(現在の)徴集・募集混合の制度下で、志願の性格が強い募集兵の比率を現在のおよそ50%から60-70%へと拡大し、教育・兵役・就職が連携した兵役システムで、急変する安全保障環境と韓国軍の人員構造の変化に積極対応しようと考えている」と明かした。一部で提起されている女性徴兵制については「国民のコンセンサス形成など慎重な検討が必要」と語った。牟庁長のこうした言及は、「人口絶壁」に伴う兵役資源の急減により、2022年に兵力が50万人に削減されるとしても現役兵力の充足は難しいという懸念が浮上しているからだ。韓国の20歳男性の人口は今年33万3000人。しかし22年から35年には22万-25万人の水準に減り、37年以降は20万人以下に急減する。
今年の現役兵(陸海空軍および海兵隊)軍所要およそ24万6500人のうち、各種特技兵など募集兵の比率は53.4%だが、これを60-70%まで高めたいという。韓国陸軍の場合、現役およそ19万6200人のうち募集兵(特技兵)の比率は47%ほどだ。牟庁長は「今年は3213人中1805人が就職に成功した就職マッチング型特技兵を、来年には5000人へと増やす計画」とし、さらに「軍で要求する特技に関して、学校・教育機関など民間機関との協約を通した教育により軍で必要とする人材に育てていく養成教育も強化する」「米国など先進国のように、兵士の服務経験を有する人材の中から下士官・将校を選抜する制度の導入も必要と思う」と語った。
また牟庁長は、一部有名人・芸能人などの相次ぐ兵役忌避疑惑と関連して「国民の目線に合うよう疾病など入営延期基準(24種類)を全面再検討し、延期目的に反する行為に際しては取り消す案を検討中」と語った。兵務庁が入営延期基準の全面再検討について立場を表明するのは初めてだ。入営延期は、兵役法施行令の上では「疾病および心身障害、直系尊卑属などの危篤、天災地変やその他の災害、出国待機、各級学校の試験への応募、就職」の8種類だ。次いで訓令上では「子女の養育、資格試験への応募、研修機関での修練、就職予定、ベンチャー企業の創業、その他やむを得ない事由」など16種類ある。兵務庁は、過去8年間で故意の手首の手術など438人の兵役免脱犯罪者を摘発し、検察へ送致したと明かした。
さらに、牟庁長は「第4次産業革命技術を接ぎ木したオンタクト(非接触)兵務行政実現のためAI(人工知能)を活用したテレビ面接、ブロックチェーン技術(分散型ネットワークに暗号技術を組み合わせた取引データ技術)に基づいた国民向けサービスの強化、チャットボット(対話ロボット)を活用した陳情相談システムの構築など、知能型兵務行政の実現を目指して革新と挑戦を続けていく」と語った。兵務庁は今年6月以降、入営案内などの兵務陳情に関してAIベースのチャットボット「アラ」を運用しているが、1日平均7000件の問い合わせに対し回答率は95%で、良好な反応を得ていることを明らかにした。
牟庁長は「国民が共感する未来の兵務庁50年をつくるため、兵役履行のパラダイム(時代の考え方や認識の枠組み)を画期的に変化させ、人口絶壁時代に備えたい」と強調した。
ユ・ヨンウォン軍事専門記者