全世界が新型コロナウイルスで悲鳴を上げている中、日本ではもう一つの災害・大地震の発生が迫っているという懸念が広がっている。特にここ数カ月間で大地震を予告するかのような前兆現象が明らかになっているという主張が相次いでいる。

 最近の重要な前兆現象の一つとされているのが先月4日、神奈川県三浦半島で発生した悪臭事件だ。同日夕、三浦市消防当局は「ゴムが焼けるようなにおいがする」「化学薬品の悪臭が鼻をつく」といった通報が約500件寄せられた。日刊ゲンダイによると、警察と消防当局にガス管理者まで乗り出して調査したが、原因不明という結論に至ったとのことだ。

 立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授はこれについて、「地殻変動に伴うにおいは地質学の関係者では常識」「三浦半島は活断層が非常に多い。活断層が動いたことから、岩石の崩壊が重なって、まとまった『異臭波』がつくられた可能性がある」「(においとともに電磁波が発生することがあるので)電磁波の変化を検証すべきだ」とゲンダイに語った。事実、1995年の阪神淡路大震災時は少なくとも1カ月前から何かが燃えるようなにおいが複数回確認されていたという。三浦半島地域の相模海谷は1923年の関東大震災の震源地と言われている場所だ。

 もともと日本は地震が頻繁に発生する国だが、最近は一定規模以上の地震が増えているなど不安を募らせている。日本気象庁の資料を見ると、5月と6月の2カ月間にマグニチュード(M)4.0以上の地震が2017年は55回、2018年と2019年はそれぞれ70回、今年は78回起きたという。今年は6月だけで41回だ。

 特に先月25日未明、千葉県沖で起きたM6.1の地震では首都圏一帯の住民が目を覚まし、恐怖に震えた。この地震による最大震度は5弱で、人がまっすぐ歩けず、家具などが倒れる程度とされる揺れだった。事実、一部の鉄道路線が運行中止となり、80代の女性が自宅で転倒して左脚を折る事故が発生した。武蔵野学院大学の島村英紀特任教授は夕刊フジの記事で「今後は(首都圏で)M7-8級の地震も覚悟しなければならない」と述べた。M7はM6よりエネルギーが32倍強い地震だ。大災害の危険性が常に存在する社会になったということだ。

 大地震と関連して、今年7月に注目しなければならないという主張がある。高橋教授は週刊誌フライデーで、「5月20日から22日にかけて、あまり地震が起きない東京湾で7度立て続けにM3前後の地震が発生した」「あまり地震が起きない場所でM3前後が連続して起き、その後2カ月程度の静穏期を挟んだ後に同じ場所でM3程度の地震が起きたら要警戒だ。半日から3日後にM6.5以上の地震が起きることが多い」と述べた。その事例を適用すると、今年の7月中-下旬に東京湾で地震が起こる可能性があると主張している。阪神淡路大震災時、悪臭事件から地震発生までの間に1カ月間の時差があったように、三浦半島悪臭事件(6月4日)から1カ月後が危険だという話もある。

 恐怖が広がるにつれ、一般の人々の間でも異常な自然現象などに注目するケースが増えている。ツイッターなどのソーシャル・メディアでは、大地震の前にだけ現れる深海魚メガマウスが先月12日に千葉県で発見されたという話や、河川で魚が水面上に跳ねる地方河川管理機関の映像などが拡散されている。

東京=イ・テドン特派員

ホーム TOP