経済総合
受注がない…韓国鉄鋼大手ポスコが創業以来初の一部休業
韓国鉄鋼大手ポスコは8日、新型コロナウイルスによる事態などで世界的に鉄鋼景気が後退していることを受け、一部の生産設備の稼働を中断し、遊休労働力に対する有給休業を実施することを決定した。有給休業は1968年のポスコ創業以来初めてだ。これまでポスコは改修を終え、5月に再稼働予定だった光陽第3高炉の稼働開始を1カ月ほど先送りするなどして生産量を調整してきた。それでも不十分なことから有給休業というカードを切った格好だ。
鉄鋼業界は新型コロナウイルスのよる影響を受け、鉄鋼製品を主に使用する自動車、造船、建設業界の景気が低迷していることから困難に直面している。さらに最近、世界的に鉄鉱石価格が1トンあたり100ドルを突破するなど原材料価格の上昇も重なり、鉄鋼製品を生産すればするほど損失が出る構造となっている。
ポスコは稼働を中断するラインを公表していないが、業界ではコロナによる影響で需要が激減した自動車・家電産業向けの冷延、めっき鋼板設備の稼働を中断するとみている。生産設備がストップした事業所の従業員は研修や整備活動を行うことになる。また、3日以上稼働が停止した事業所は勤労基準法に基づき、有給休業を実施する。有給休業期間に従業員は平均賃金の70%を受け取ることになる。ポスコ側は「雇用安定の重要性を考慮し、希望退職などは検討していない」と説明した。
ポスコだけでなく、日本製鉄が来年3月まで月2回の一時帰休を実施するなど世界的な鉄鋼メーカーの大半が減産に入っている。これに先立ち、現代製鉄も今月から唐津製鉄所の電気炉熱延工場で稼働を中断した。現代製鉄は「6月から受注が事実上ゼロに近く、稼働を中断した」と説明した。