北朝鮮が先日、脱北民団体などが北朝鮮にビラを飛ばした問題で韓国政府を激しく非難した際、韓国政府と与党勢力は「北朝鮮向けビラはほとんどが南側に落下した」「われわれの土地に環境汚染を引き起こしているだけ」と主張し始めた。しかし北朝鮮はこの主張にも反発している。

 韓国統一部(省に相当)は4日「北朝鮮向けビラのほとんどが国内で発見され、境界地域の環境汚染や廃棄物回収の手間など、地域住民の生活を悪化させている」と主張した。同じ日に青瓦台(韓国大統領府)国政企画状況室長を務めた与党・共に民主党の尹建永(ユン・ゴンヨン)議員も「国内で環境汚染を引き起こしている」と指摘した。しかし翌5日、北朝鮮の統一戦線部は報道官談話を通じ「神聖なわれわれの地域に薄汚い汚物の切れ端を飛ばしていることに激憤を禁じ得ない」と主張した。北朝鮮の内部事情に詳しい消息筋は「実際に多くのビラが北朝鮮の内陸深くにまで到達しているということだ」「北側が使った『神聖なわが地域』という表現は、包括的には『神聖なわれわれ共和国』を意味する言葉のようだが、実際は彼らの革命首都である平壌や平安南道平城周辺にまでビラが到達したとの見方もある」と伝えた。一部では黄海道など境界地域の金日成(キム・イルソン)銅像など、金氏一家と関係する施設の周辺に落下した可能性もささやかれている。北朝鮮の統一戦線部は、韓国統一部による「ビラで南側に環境汚染が起こっている」との主張についても「秋のカッコウのような鳴き声だ」と批判した。話にならない戯言という意味だ。

 韓国政府の一部からは、ビラによって言い掛かりをつける北朝鮮の意図について「対話の兆候」という解釈も出ている。朴智元(パク・チウォン)元議員や金弘傑(キム・ホンゴル)議員も、北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長の談話について「対話に乗り出せというシグナルだ」と主張しているが、北朝鮮は5日の談話で「南側は『交流と協力に乗り出せという隠れたメッセージが込められている』という愚かな解釈を行った」「無駄でばかげた夢を見ている」と侮辱した。

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