和田春樹・東京大学名誉教授「尹氏の提案、かなりの部分反映された」

 和田春樹・東京大学名誉教授(82)=写真=は19日、尹美香(ユン・ミヒャン)氏(4月の総選挙で与党「共に民主党」の比例政党から出馬して当選)が理事長を務めていた慰安婦被害者支援市民団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)=旧「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)=が2014年から日本で「韓日慰安婦問題合意」と同様の方法を相次いで提示し、両国の交渉の土台になったと明らかにした。

 尹氏と共に慰安婦問題の解決を促してきた和田氏は19日、電話インタビューで、「正義連が主軸になり2014年6月に東京で開催したアジア連帯会議で、日本政府の法的責任を取り上げずに謝罪の意思表示としてお金を出す案を提示した」と語った。

 和田氏の証言は、尹氏が2015年12月の慰安婦問題合意前、両国間の交渉に影響を与える案を提示し、実際に発表されると反対したという疑惑を日本側から提起したものだ。和田氏は韓日強制併合無効共同声明を主導し、慰安婦問題の解決などのため努力してきた日本を代表する進歩系の人物だ。

 和田氏は「2014年のアジア連帯会議決議文に法的解決要求が一切なく、日本政府を説得できる転換点と見て、尹氏に2015年の合意文発表まで4-5回会った」と言った。

 正義連のホームページに掲載されたアジア連帯会議決議文は、日本政府の慰安所設置・管理を通じて重大な人権侵害があったことを認めよと主張した。また、「謝罪の証拠として被害者に賠償すること」「覆すことができない、明確かつ公式の方法で謝罪せよ」とも要求した。これは、1年6カ月後に発表された韓日慰安婦問題合意文に日本の首相の謝罪、日本政府の10億円拠出、最終的かつ不可逆的な解決という3項目に相当部分、反映されたというのが和田氏の主張だ。

 和田氏は慰安婦問題解決を要求するために、2015年4月に日本の国会で尹氏らと共同記者会見を開いた。この時も尹氏はアジア連帯会議決議の決議文に基づいて慰安婦問題合意の3項目と同様の主張をした。和田氏は「尹氏らが明らかにした案の程度であれば韓日間の合意が可能だと判断した。当時の李丙ギ(イ・ビョンギ)駐日韓国大使と谷内正太郎国家安全保障局長がこれをもとに慰安婦問題合意文の作成に着手した」と話した。

 和田氏は、韓日慰安婦問題合意文発表後に尹氏が反対に出た理由については「いろいろと悩んだが、当時要求したことに100%及ばず、(慰安婦を象徴する)少女像移転問題など、考えられなかった内容が盛り込まれて反対することにしたようだ」と言った。

 そして、「正義連は慰安婦問題を提起して日本政府・日本国民を反省させるのに大きな功績があった。そのような努力がなければ進展がなかったことなので、今回の事態には胸を痛めている」と述べた。

 また、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は被害者中心主義を強調してきたが、慰安婦被害者の4分の3が日本政府からの拠出金を受け取ったことの意味は大きい」「日本の首相が謝罪し、慰安婦被害者たちのために日本政府が拠出金を渡したということを知ってくれればと思う」と語った。

東京=李河遠(イ・ハウォン)特派員

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