「イエスも最初は誤解されて非難を受けた」--。ソフトバンクグループの孫正義会長(62)が会社の巨額損失の過程を説明した際、自分をイエスにたとえたことが論議を呼んでいる。

 フィナンシャル・タイムズ(FT)など海外メディアは、18日に行われた1-3月期のソフトバンクの業績発表で、孫会長がアナリストの鋭い質問に答える中、自分をイエスにたとえた。FTは「孫会長はソフトバンクの業績が改善すれば、自分の評判も良くなるという意味でそう発言した」と伝えた。

 業績発表の席上、孫会長は一般大衆の見方と自分のビジョンに違いがあるかと問われたのに対し、「ビートルズも最初は人気がなかった」とも語った。インターネット上では「イエスは1兆円もの赤字を出していない」などと発言を皮肉る書き込みが相次いでいる。

 ソフトバンクは1-3月期に1兆4381億円の赤字を出した。日本企業としては四半期ベースで最大の赤字規模だ。投資ファンドの「ビジョンファンド」で約1兆9000億円の損失が発生したためだ。1-3月期にはビジョンファンドが投資した企業88社のうち、新型コロナウイルスの影響で50社の企業価値が低下した。孫会長はさまざまな対策を打ち出した。現金確保を確保するため、ソフトバンクが保有する中国電子商取引大手、阿里巴巴集団(アリババ・グループ)の株式1兆2500億円相当を売却することを決めた。孫会長は同日、「人生観を振り返っている。いろいろな選択肢を持って乗り切っていく」と述べた。

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