経済総合
インドの20代起業家に足を引っ張られた孫正義
ソフトバンクの孫正義会長が「未来のホテル王」と持ち上げてきたインドの20代のスタートアップ創業者に足を引っ張られている。
ブルームバーグ電は13日、インドのホテルチェーン、オヨ(OYO)ホテル・アンド・ホームズが新型コロナウイルスの直撃を受け、存亡の危機に立っていると報じた。オヨは全世界で事業を凍結し、数千人の従業員を解雇している。コロナの影響で旅行客が激減し、ホテルが空室だらけとなり、損失が急増したためだ。
オヨは2013年、当時19歳だったインドの実業家、リテッシュ・アガワル氏が創業した。同氏はインドのホテルが不潔で大雑把に運営されている実態を改善することに挑戦した。オヨブランドを標準化し、エアコン、Wi-Fiなどを提供することで、ホテルをリモデリングした。
孫会長はオヨに15億ドル(約1615億円)を投資し、昨年にも東京で開かれた法人向けイベント「ソフトバンクワールド」でアガワル氏について、「25歳という年齢で想像ができないことだ。彼は数年以内に世界のホテル王になるはずだ」と断言した。オヨは昨年時点で企業価値が100億ドルに達していた。
ブルームバーグは「シェアオフィス会社のウィーワークが崩壊したことで揺らぐソフトバンクと孫会長にとって、オヨは第2のウィーワークになる可能性をはらんでいる。孫会長とアガワル氏は個人的損失を被るかもしれない」と伝えたほか、「孫会長のベンチャー投資家としての評判にさらに打撃を与えるリスクがある」と付け加えた。