事件・事故
親北大学生団体が野党候補に選挙妨害作戦…選管は「違法」とするも警察は傍観
数日連続でついて回りデモ
23日午前、ソウル地下鉄建大入り口駅。4・15総選挙でソウル広津区乙選挙区から出馬している最大野党・未来統合党の呉世勲(オ・セフン)候補が通勤のため行き来する市民にあいさつの言葉を掛けたところ、10人余りの大学生が呉候補を取り囲んだ。彼らはソウル大学生進歩連合(ソウル大進連)所属で「政治家は常に寄付行為はできません」と書かれたプラカードを掲げ「辞退が答えだ」「呉世勲候補、説明してください」などと叫んだ。呉候補が昨年の旧正月と秋夕(中秋節)、そして今年の旧正月に自らが居住するマンションの警備員や清掃員など5人に5万-10万ウォン(約4400-8700円)など総額120万ウォン(約10万5000円)を提供し、最近になって選挙管理委員会によって告発されたことを問題視したのだ。呉候補は「これは選挙運動妨害です。選挙法違反です」と抗議したが、大進連側は全く意に介さなかった。ソウル大進連は一連のプロセスをフェイスブックを通じてリアルタイムで中継した。
呉候補陣営は「大進連の会員たちが最近、2人1組で地下鉄の駅、選挙事務所などでピケットデモを行っているが、23日はのっけから候補を取り囲み、組織的に選挙運動を妨害した」と主張した。最終的に呉候補陣営は選挙運動開始から30分で遊説を諦め、その場から立ち去った。
選挙管理委員会は一連の遊説妨害プラカードデモが選挙法違反という事実を大進連はもちろん、警察にも通知したという。広津区選管の関係者は「18日と20日の2回、大進連側にプラカードデモは選挙法違反であることを伝え、デモの中止を要請する文書を送った」「警察にも同じ立場を伝えた」と明らかにした。しかし、この日現場に広津警察署所属の警察官十数人が来ていたが、大進連の遊説妨害を制止しなかった。選挙法違反の現行犯に対し、警察は何もせず見ていたのだ。
広津警察署は「選管の意見などを参考に、最近大進連に対する内偵に着手した」と説明した。この日、大進連によるプラカードデモを現場で制しなかった理由については「現場での対応で不十分な部分は調査し、相応の措置を行う」とコメントした。
呉候補は23日、フェイスブックに「警察は大進連による持続的な選挙運動妨害行為はもちろん、今日現場での違法行為に何の措置も取らなかった」「警察として当然の職務を怠り、ほう助するよう指示した責任者を明らかにし、捜査を行うまで選挙運動を暫定的に中断し、一人デモを通じて強く抗議する」との考えを示した。
「大進連」は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長のソウル訪問歓迎対話や各種反米デモを主導してきた代表的な親北性向の大学生団体だ。