冬休み期間中に帰国し、近く韓国に戻る中国人留学生を介する武漢肺炎(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大を阻止するため、韓国のキャンパスは非常態勢に入った。新学期が始まるまでまだ1カ月あるが、今月から寄宿舎への入所や卒業式、入学式などが相次いで予定されているためだ。

 韓国教育部(省に相当)の統計によると、2019年4月基準で韓国の大学に在学する中国人留学生の数は約7万1000人に達する。中国人留学生が最も多いのは慶煕大学で3839人だ。そのほかの主要大学では延世大学1772人、高麗大学には2833人が在学している。彼らのほとんどが授業が始まる前の今の時期に韓国に戻る。留学生を別の決められた場所で生活させる大学もあるが、日常生活の全てを制限するわけにはいかないため懸念が広がっている。

 ソウル大学寄宿舎906号棟では2日午後、多くの学生が引っ越しのため寄宿舎を出た。トレーニングウエアやダウンジャケット姿にマスクをした学生たちが、カートで段ボールや紙袋など引っ越し用の荷物を次々と運び出していた。休業期間中に中国に行って韓国に戻った150人の留学生について、ソウル大学はこの建物に集めて生活させることを決めたからだ。

 ソウル大学には昨年の時点で645人の中国人留学生が在学している。ソウル大学は先月28日、これらの留学生を含む在学生全員に対し「先月13日以降、中国武漢市に渡航歴がある学生は、症状が出ていない場合も入国から14日間は登校を禁止する」とのメッセージを一斉に電子メールで送った。しかし、あるソウル大生は「中国から来た学生たちは寝るところが隔離されるだけで、校内の食堂やコンビニなどは他の学生たちと同じく普通に利用しているので何の意味があるか分からない」と語った。

 中国人留学生3199人が在学する中央大学は寄宿舎にサーマルカメラ(熱検知カメラ)を設置し、また休業期間中に中国湖北省に滞在歴のある学生は、寄宿舎入所前に14日間隔離生活をさせることにした。中国への渡航歴がなくとも発熱や呼吸器疾患の症状が出ている学生は、症状がなくなるまで寄宿舎への入所を禁止する方針だ。

 卒業式や入学式も多くの大学で取り消し、あるいは略式で行われるようだ。慶煕大学は卒業式と入学式を執り行わず、韓国の大学では初めて授業が始まる日を1週間延期することにした。梨花女子大学は今月23日の卒業礼拝と24日の卒業式を行わないことを決めた。

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