▲写真=歌手チョン・ジュニョン被告、FTISLAND元メンバーのチェ・ジョンフン被告

一審、集団性的暴行に重刑宣告…チェ・ジョンフン被告は懲役5年

「被害者の痛みは計り知れない 人気に見合う責任取るべき」

 集団性的暴行で起訴された歌手チョン・ジュニョン被告(30)と人気バンドFTISLAND元メンバーのチェ・ジョンフン被告(29)に対して、一審でそれぞれ懲役6年と懲役5年・80時間の性暴力治療履修処分が言い渡された。2人は判決後、法廷で涙を流した。

 ソウル中央地裁刑事第29部(カン・ソンス裁判長)は29日、複数の女性を集団暴行し、同意なしに性的関係の動画を撮影、メッセージ・アプリ「カカオトーク」のグループチャットに流布したとして起訴された2人にこうした判決を言い渡した。また、2人と共に犯行にかかわった女性アイドルグループ少女時代のメンバー、ユリさんの実兄に懲役4年、クラブ「バーニング・サン」従業員に懲役5年、芸能事務所元社員に懲役8月(執行猶予2年)を言い渡した。

 これら被告たちは2015年から16年にかけて、江原道洪川や大邱などで、タレント志望の知人女性やクラブで知り合った女性らに対して数回、集団性的暴行を振るい、同意なしに性的関係を撮影したとして起訴された。こうした犯行は、「バーニング・サン問題」が取りざたされていた今年初め、BIGBANG元メンバーのV.Iらが参加していたカカオトークのグループチャットに、チョン・ジュニョン被告が違法撮影した性的関係の動画を十数回掲載していたことが明らかになり、摘発されたものだ。チョン・ジュニョン被告が携帯電話を預けたデジタル・フォレンジック会社の社員が該当のファイルをある弁護士に渡し、その弁護士が国民権益委員会に情報提供した。

 チョン・ジュニョン被告側は「該当社員が本人の同意なしにファイルを他人に渡したのは個人情報保護法違反だ。違法に収集された証拠には証拠能力がない」と主張した。しかし同地裁は「情報提供の動機は公共の利益のためのものであり、チョン・ジュニョン被告個人の人格権が侵害されることよりも優先される」として、同被告の主張を退けた。

 性犯罪被害者を考慮し、6カ月間にわたった公判は非公開で行われた。だが、同日の裁判長による判決言い渡しで具体的な犯行の様子が明らかになった。チョン・ジュニョン被告とチェ・ジョンフン被告は2016年3月、大邱市内のホテルで、同時に1人の女性を暴行した。パニック障害を持つ被害女性は過度の飲酒で意識不明の状態だった。チョン・ジュニョン被告とチェ・ジョンフン被告が暴行している時、ほかの人物たちその様子を携帯電話で撮影し、その後、自分たちも性的暴行を試みた。

 2016年1月に江原道洪川で少女時代ユリさんの兄は当初、性的暴行をしようとした女性が泥酔してベッドに嘔吐したことから、意識がなく床で失禁するほど抵抗不能の状態だった別の女性を暴行した。性犯罪の前科があったユリさんの兄に対し、同地裁は「再犯の恐れがある」として出所後3年間の保護観察命令を下した。

 チョン・ジュニョン被告、チェ・ジョンフン被告らは同種の犯罪の前科がなく、初犯であるのにもかかわらず懲役5-6年の重い刑を言い渡された。2人以上が性的暴行を振るう特殊準強姦(ごうかん)が認めたからだ。大法院の量刑基準によると、特殊強姦罪は基本が懲役5-8年となる。一方、一般的な強姦罪の量刑基準は懲役2年6月-5年だ。

 同地裁は「被告らは有名芸能人や友人として複数の女性に対して性犯罪をはたらいてはグループチャットで内容を共有し、女性を単なる性的快楽の道具として考えていた。被告人たちの年齢は高くはないが、これを好奇心やいたずらと見るには犯行があまりにも重大で深刻なため、厳重な処罰は避けられない」と判決理由を説明した。

 同地裁はまた、「(チョン・ジュニョン被告とチェ・ジョンフン被告は)人気歌手で、それによって得られた名声と財力に見合った社会的責任を負うのは当然だ。性的関係の動画などがグループチャットで共有されたことを後に知った被害者たちが感じたひどい苦痛は察するにあまりある。ゆがんだ性意識に端を発する特殊強姦という罪質を考慮し、厳重な責任を問う判決だ」と述べた。

 拘束状態で裁判を受けてきたチョン・ジュニョン被告とチェ・ジョンフン被告は同日、黒のスーツ姿で出廷し、50分間に渡る判決の間、固い表情でうなだれていた。2人は実刑が言い渡されると、顔を両手で覆ってしばらくの間、泣き続けた。

ホーム TOP