少なくともおよそ10機、武器の搭載も可能

西海・東海、日本まで飛行可能

 中国が、北朝鮮に隣接する吉林省に最新鋭の戦略無人機「翔竜」を少なくともおよそ10機配備したことが29日までに分かった。戦闘半径2000キロのこの無人機は、西海はもちろん東海や日本まで飛行が可能だ。東海沿岸の韓国軍後方はもちろん、日本や国連軍司令部後方基地まで中国の無人機の監視・偵察範囲に入るのだ。

 韓国軍関係者は「中国が吉林省に翔竜を配備し、基地施設の拡張を続けている」として「少なくともおよそ10機、多くておよそ20機配備されたものとみている」と語った。こうした事実は、衛星地図サービス「グーグル・アース」を通しても確認された。吉林省双遼市近くに位置する飛行場の今月初めの写真によると、9機の翔竜が出撃中もしくは出撃待機中だった。韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ専門研究委員は「無人機格納施設の工事をしている様子が識別できる」として「簡易型格納庫で運用していた無人機を、正式施設で運用しようとしているものとみられる」と指摘した。中国はこの基地から、西海や東海はもちろん太平洋まで無人機を運用していると推定される。

 米国の高高度無人偵察機「グローバルホーク」の中国版、と呼ばれる翔竜は、高度1万8000メートルで運用され、最大航続距離7000キロ、滞空時間は10時間といわれている。映像情報収集はもちろん、軍の通信傍受などの機能もあるといわれている。韓国軍関係者は「グローバルホークよりは全般的に性能が劣るが、おおむね似た機能と役割を果たすらしい」として「戦闘半径が広いので、韓半島全域にわたる飛行をするだろう」と語った。専門家らは、翔竜は単なる偵察だけでなく、武器も搭載できるとみている。また、中国が吉林省の基地を無人機専用として前哨基地化することにより、攻撃専用無人機を配備できるという見方もある。

 韓国軍内外からは「韓国のTHAAD(高高度防衛ミサイル)のレーダー配備を批判してきた中国が、最新鋭偵察無人機で韓半島付近をひっかき回すのは二律背反的」という声が上がった。韓国軍関係者は「中国に対する探知機能を果たさないTHAADレーダーを巡って経済報復までやった中国が、韓半島を広く見渡せる無人機を遠慮なく使っている」と語った。

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