▲25日、アジアユース・ジュニア重量挙げ選手権で優勝した韓国のヨム・ダフンが、3位の北朝鮮パク・クムイルに向かって「表彰台に一緒に立とう」と手を差し出したが、パク・クムイルはこれを拒否した。/写真=聯合ニュース(上) ▲22日、アジアユース・ジュニア選手権観戦のため平壌市内の重量挙げ競技場を訪れた北朝鮮の観客たちは、韓国人選手の試合の順番になると一斉に席を立って会場の外に出た。/写真=聯合ニュース(下)

 北朝鮮平壌市内で行われた2019アジアユース・ジュニア重量挙げ選手権に出場した韓国代表たちが29日午前、仁川国際空港に戻った。

 ユース(17歳以下)選手20名とジュニア(20歳以下)選手18名からなる韓国代表たちは11日間にわたる平壌での日程を終えて28日に順安空港を出発、中国・北京経由で韓国に到着した。今大会で韓国は金メダル14個、銀メダル20個、銅メダル19個を獲得した。スナッチとジャークの記録を合わせた合計部門では金メダル5個を手にした。

 「第2の張美蘭(チャン・ミラン)」と呼ばれるイ・ソンミ(19)=江原道庁=がジュニア女子最重量級(87キログラム以上)で3冠王に、パク・ヘジョン(16)=ソンブ中=もユース女子最重量級(81キログラム以上)で金メダル3個を獲得した。特にパク・ヘジョンはユースのみにある「女子81キログラム超級」のスナッチ(110キログラム)とジャーク(145キログラム)、合計(225キログラム)のすべてで世界記録を出した。

 今回の大会は、2022年サッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア2次予選(10月15日)から五日後の20日に開幕したということで注目を集めた。平壌の金日成(キム・イルソン)競技場で行われた韓国と北朝鮮のカタールW杯2次予選はテレビ中継もされず、韓国のファンたちの怒りを買った。北朝鮮側は韓国からの応援団はもちろん、報道陣の入国も認めなかった。しかも、試合当日は予告なしに「無観客試合」にした。

 だが、アジアユース・ジュニア重量挙げ選手権はサッカーW杯予選とは違っていた。大会が行われた平壌市内の重量挙げ専用競技場には北朝鮮の観客が入場、韓国の報道関係者も2人いた。サッカーとは異なり、重量挙げ大会取材を北朝鮮が許可したのは、世界的な競争力を持つ種目の国際大会開催を積極的にアピールしようという意図があると見られる。朝鮮労働党機関紙の労働新聞は、北朝鮮選手団が金メダルを55個獲得して総合優勝を飾ったことを報道したものの、韓国人選手の参加には言及しなかった。

 空港手続きのみで2時間以上かかり、宿泊施設盗聴疑惑が取りざたされるなど、2泊3日の滞在期間中に冷遇されたサッカー韓国代表ほどではないが、重量挙げの選手たちも平壌滞在は容易でなかったという。イ・ソンミは「手続きの際、肉が入ったインスタントラーメンを取られた。携帯電話なしでホテルにばかりいたので息苦しかった」と語った。

 北朝鮮の観客たちは韓国人選手の試合や授賞式になると一斉に立ち上がって会場から出て行った。そして、北朝鮮選手の授賞式になると再び席に戻り、力強く国歌を歌った。

 ジュニア男子89キログラム級で優勝した韓国のヨム・ダフンは、3位の北朝鮮パク・クムイルに手を差し出したが、そっぽを向かれた。ヨム・ダフンは「今回の大会で北朝鮮の選手たちと一言も話せなかった。北朝鮮の選手たちは距離を置いて警戒している様子だった」と語った。

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