人口10万当たり27人、9.9%高まる

「昨年は有名芸能人などが極端な選択」

 韓国で5年ぶりに自殺率が増加傾向に転じた。24日に統計庁が発表した「2018年死亡原因統計」によると、昨年自ら命を絶った人の数は1万3670人で、人口10万人当たり26.6人となり、17年より9.5%高まった。

 自殺率は13年(28.5人)以降減少傾向を示していたが、突然上昇した。韓国は、05年以降13年続いていた「経済協力開発機構(OECD)加盟国中自殺率1位」を昨年リトアニアに渡したが、今回そこに復帰してしまう可能性もある。韓国政府は、昨年1月に発表した自殺予防国家行動計画で「2022年までに10万人当たりの自殺率を17人まで減らす」という目標を立てたが、昨年の自殺率はむしろ高くなった。

 2017年と比較すると、80歳以上を除く全ての年齢層で自殺率が高くなり、とりわけ10代の自殺率は22.1%(4.7人→5.8人)も急増した。10-30代では、ほかの事故や疾患を全て抑えて自殺が死亡原因の1位を記録してもいる。10代の死亡者の35.7%、20代の47.2%、30代の39.4%が自殺で命を落とした。

 保健福祉部(省に相当)の関係者は「1、2種類の原因で説明することはできないが、有名人の自殺事件による『ウェルテル効果』も影響を及ぼしたと推定される」と語った。ウェルテル効果とは、主人公が恋を成就できずに拳銃自殺してしまうというゲーテの小説『若きウェルテルの悩み』が出版された後、読者の自殺が相次いだように、有名人の自殺事件が自殺者増加に影響を与えることを指す。

 統計庁のキム・ジン人口動向課長は「昨年は1月、3月、7月に前年同月より自殺が増えているが、当時の有名人の自殺と関連があるものとみられる」と語った。この時期は17年12月に有名歌手、18年3月に有名芸能人、同7月に政治家の自殺が起きていた。15年のサムスン・ソウル病院の調査によると、有名人の自殺前後1カ月で、1日平均自殺者数は36.2人から45.5人と9.3人増えた。なお、失業の増加など経済問題が自殺率の増加に影響を及ぼした可能性について、保健福祉部の関係者は「資料をもっと検討し、追って明らかにする」とした。

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