社会総合
京畿道教育庁「修学旅行やファイティングも日帝残滓」
韓国教育関係者「校歌だけでなく今や日常用語も清算対象になった」
「日帝残滓(ざんし)の清算」を掲げる京畿道教育庁(教育委員会に相当)が先日、道内の全ての初等学校(小学校)、中学校、高校の児童・生徒や教師らに対し「学校生活の中に残る日帝残滓の発掘調査」というアンケート用紙を配布した。このアンケートでは「修学旅行」「ファイティング」などの日常用語も日帝残滓としていることから波紋が広がっている。
全国教職員労働組合(全教組)や進歩(リベラル)・左派系の教育監(教育庁のトップ)らが「親日作曲家の作曲した校歌」「銅像」「日本のいぶきの木」などの清算作業を進めていることについて「日常生活で使う言葉まで清算対象とするのはおかしい」などの声が教育現場などから上がり始めている。リベラルとして知られる李在禎(イ・ジェジョン)教育監は親日人名辞典編さん委員会の関係者などをメンバーとする「100周年特別委員会」を立ち上げ、日帝残滓清算作業を推し進めている。京畿道教育庁は先月28日、2300以上の初等学校、中学校、高校に文書を送り、教師や児童・生徒を対象に「本人が考える日帝残滓の概念」「学校生活の中にある日帝残滓」「どうやって清算するのがよいか」などについてアンケート調査を行い、12日までに提出するよう指示した。提出は義務づけられているわけではなく、希望する場合にのみ提出すればよいという。
京畿道教育庁は回答を集めた上で、歴史を専攻した7人の教師からなる「学校生活に残る親日残滓清算プロジェクト・タスクフォース(作業部会)」がその内容を精査し、実際の清算対象やその方法などを決める計画だという。
京畿道教育庁がアンケート用紙で例示した清算対象とされる日帝残滓には「親日行為者が作曲した校歌」「歴代校長の写真に含まれた日本人の校長」などがあるが、これら以外にも「修学旅行」「ファイティング」「訓話」などの言葉も日帝残滓とされている。
京畿道教育庁によると、アンケートに記載されている「ファイティング」という応援の言葉は、第2次世界大戦中に日本軍が戦地に赴く際に「ファイト」と叫んだことから始まったという。さらに「修学旅行」は「旧韓末や日帝時代に民族精神を弱めるため、朝鮮の学生たちに日本を見学させる風俗から始まった」として「修学旅行の始まりは民族精神を害する目的があった」と主張している。さらに「訓話」は上司が部下に訓示するという日本統治時代の軍隊用語だという。
これに対して京畿道内のある中学校の校長は「修学旅行やファイティングという言葉が日本から来たという理由で清算対象になるなら、学校、教育、科学など、近代化後にできたほぼ全ての言葉が日帝残滓になるはずだ」「日本による植民地支配については児童・生徒たちにしっかりと教えるべきだが、今になって教育庁が先頭に立って日本に関係する全てのものを清算するというのはやり過ぎだ」と批判した。