日本による貿易報復に対し、米国や英国など海外のメディアは懸念を示している。例えばウォールストリート・ジャーナル誌は「日本は自らの足元に火を付ける結果になる恐れも」と指摘し、フィナンシャル・タイムズ誌は「最終的には全世界の消費者が被害を受ける」などと報じた。日本の読売新聞も「自由貿易に逆行する措置であり、結果的に逆風を受けるだろう」などと批判したことから、日本メディアの中にも同じような見方があることが分かる。日本のある経済専門家は「世界貿易機関(WTO)のルールに違反している可能性がある」と指摘した。日本による貿易報復が韓国や日本はもちろん、各国が複雑にからみ合っているサプライチェーン全体に混乱をもたらすとの見方は、海外の識者の間でほぼ一致しているのだ。

 1965年の国交正常化以来、韓国と日本の間にはさまざまな対立や衝突はあったものの、経済だけは緊密な協力関係を維持してきた。双方共に相手が3-5位の貿易相手国であり、事実上一つの経済圏だったからだ。今回問題となっている半導体はもちろん、石油製品、鉄鋼、精密化学、食品など主要産業で両国の企業は競争をしながらも、時計の部品のように緊密につながり経営を続けてきた。どこかで問題が生じれば、他のところで必ず被害が発生する構造が形成されているのだ。そのため今回の日本による報復は50年にわたり蓄積してきたこの韓日経済協力の枠を揺るがすものであり、影響でその信頼関係も根本から傷ついてしまった。

 日本政府は今回の措置に乗り出した理由について「韓国との信頼関係が崩れたため」と説明している。強制徴用判決を巡る韓日間の外交対立が原因であることを認めた形だ。自由貿易を原則とする国際通商規範は、政治が貿易に介入することに反対している。経済以外の理由で貿易を差別化するとか、規制するなどあってはならないということだ。

 世界での好感度調査で日本は常にトップ近くを維持する国だ。これほどの高い評価を受ける理由は、ルールを守る国民と、その国民性によって形成された国と考えられてきたからだ。しかし今回の貿易報復を見ると、日本も結局は無道な経済報復を平気で行う中国と何も変わらないレベルにあることが分かった。過去の韓日請求権協定に「両国間の請求権問題は完全、最終的に解決されたことを確認する」と明記されているのは事実だ。韓国がこの協定を破ったとして、日本が怒るのも当然理解できる。しかしそれを外交的な方法ではなく、経済報復という暴力的で野蛮な手段を持ち出してよいのだろうか。両国関係の未来を考えると実に嘆かわしいことだ。

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