サッカー
サッカー:全員守備の末に浦和に完敗、サポーター泣かせた「蔚山の惨事」
「攻撃」予告も守備ばかり
「負けたことよりプレーの姿勢が問題だ。 20年以上も蔚山現代のサポーターだったが、恥ずかしくてもうできない」
「本拠地で何をやっているんだ? 始まってすぐ守りばかりだなんて…サポーターのことは眼中にないのか?」(以上、蔚山現代ホームページより)
サポーターたちの怒りは一日経っても収まらなかった。韓国プロサッカーKリーグの蔚山現代が26日、本拠地・文殊スタジアムで行われたアジア・サッカー連盟(AFC)チャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦第2戦で、日本のJリーグの浦和レッズに0-3と完敗して脱落したためだ。ただ負けただけではなく、有利な状況で試合が始まったのに、一方的にやられて大敗したことから、サポーターの怒りは収まらない。
■極端な守り…プライドも実利も失う
試合前日、蔚山現代の金度勲(キム・ドフン)監督は「積極的に出る」と予告していた。蔚山現代はアウエーだった第1戦に2-1で勝った。アウエーでの多得点原則に基づき、第2戦が0-1でもベスト8に上がれるはずだった。しかし、金度勲監督は第2戦で攻撃的MF金甫ギョン(キム・ボギョン)を先発から外し、代わりにDFキム・ソンジュンを先発させた。予告とは違い、及び腰になったのだ。下がりすぎたせいか、序盤から浦和の攻勢に苦しめられ、実力を一度も出せずに惨敗した。蔚山現代がこの試合で放ったシュートはわずか3本だった。浦和は12本だった。
大雨の中、平日夕にスタジアムを訪れたサポーター約2000人のほとんどが試合終了のホイッスルにむなしさを隠せないまま立ち去った。戦力上、一方的にやられる試合ではなかったという点で、衝撃がさらに大きかった。蔚山現代はKリーグ3位、浦和はJリーグ10位だ。浦和は最近、監督が交換したほどムードが悪かった。蔚山現代は22日に予定されていたKリーグの試合を延期してまで浦和戦に備えていた。
■金度勲監督の辞任論も
蔚山現代公式ホームページには、同チームと金度勲監督を糾弾する書き込みが相次いだ。キム・ヤンソプ氏は「リーグ戦を先送りして準備したのが10 back(フィールド・プレーヤー全員守備)。相手のミスをひたすら待つ作戦なのか」と問いかけた。ソーシャル・メディア上でも「雨の日にわざわざ来たのに、守るばかりで3ゴール食らうところを見せられた」「今日は生中継がなくてラッキーとしか言いようがない」という非難が相次いだ。
特にひどく消極的で大惨事のきっかけを作った金度勲監督に対しては「辞任論」まで出るほど批判が激しい。蔚山現代は昨年のACL第1戦で水原サムスンに1-0で勝ったが、第2戦は0-3で敗れて脱落した。昨年のFAカップ決勝第2戦でも大邱FCに0-3で負け、合計1-5で準優勝した。金度勲監督は26日の試合後、「私の責任が大きい」と述べたが、昨年も同じことを言っていた。
■2年前も全滅したKリーグ・チーム
全北現代も同日、中国の上海上港にPK戦で負け、Kリーグ所属チームは2017年に続いて2年ぶりに1チームもベスト8入りできなかった。中国と日本のチームは巨額の資本を前面に押し出して毎年戦力を強化している。Kリーグのチームは「金額」ではかなわないため、「別の対策を立てなければアジア・トップの座からますます遠ざかるばかりだ」との声もある。総合編成チャンネルJTBCサッカー解説者のパク・チャンハ氏は「試合を思い通りに導く組織力とトップクラスの外国人選手、この2つのうち1つだけでは優勝は難しいのに、今シーズンのKリーグのチームはどちらも持っていないケースが多かった。アジア・トップの座から脱落したことを認め、中身からしっかりしなければならない」と分析した。