社会総合
韓国公営放送出演者「李承晩は米国の傀儡、国立墓地を掘り起こさなければ」
テレビの講演番組などで有名な哲学者・思想家の金容沃(キム・ヨンオク)韓神大学客員教授=写真=が16日に放送されたKBS第1の番組『トオル・アイン 五方へ行く』で、李承晩(イ・スンマン)元大統領を米国の「傀儡(かいらい=操り人形)」と名指しし、「国立墓地(の墓)を掘り起こさなければならない」と主張した。「全国民が一致団結して信託統治に賛成していたら分断もなかっただろう」という発言も放送された。この番組はKBSが三・一運動(独立運動)100周年を迎えるにあたって今年1月にスタートさせた講演番組で、「トオル」という号を持つ金容沃教授と人気俳優ユ・アインが出演している。
「解放と信託統治」をテーマに行われたこの日の放送で、金容沃教授は「金日成(キム・イルソン=北朝鮮主席)と李承晩は、ソ連と米国が韓半島(朝鮮半島)を分割統治するために連れて来た人物だ」「一種のパペット(puppet)、傀儡だ」と言った。
放送中、番組観覧客が「(李承晩元大統領が)今、国立墓地に埋葬されていることをどのように考えるか」と質問すると、金容沃教授は「当然、掘り起こさなければならない。我々は李承晩元大統領の下でうめき、自由党時代を経験し、4・19革命(四月革命)で彼を追い出した。彼は歴史の中で既に掘り出された人物だ」と答えた。この放送を見た視聴者のユン・サムヒョンさん(78)は「功績と過失の両方が存在する元大統領のことを、酒の席でもむやみに口にできない言葉でおとしめた公営放送に大きな衝撃を受けた」と語った。
KBSは信託統治に対する金容沃教授の一方的な発言もそのまま放送した。金容沃教授は同日、「信託統治に賛成することは合理的な思考の人間であり、信託統治に反対することは融通の利かないバカな人間」「ソ連こそ韓国を分割・占領する考えが全くなかった。米国が分割・占領を提示したのに対して、ソ連はできる限り早く独立させた方がいい(という考えだった)」などと、一方的に偏った視点で語った。高麗大学メディア学部のキム・ソンチョル教授は「過激で過度に偏った発言だ。公営放送ならば当然、自主的な審議を経て選別すべき内容だ」と語った。