独島問題
ソウル市の五輪招致PR垂れ幕に「独島のない韓半島」
ソウル市は2032年夏季五輪を北朝鮮と共同で招致することをPRするために、大きな垂れ幕を掲げたが、ここに描かれた韓半島(朝鮮半島)の地図に独島(日本名:竹島)がないことが分かった。済州島と鬱陵島は描かれている。独島は韓国の国土の東端であり、日本が領有権をめぐって挑発を続けていることから、鬱陵島と共に地図に表記するのが一般的だ。多くの市民が集まるソウル中心部の目につく場所に垂れ幕を掲げておきながら、あまりに無神経ではないかとの指摘がソウル市に寄せられている。
ソウル市は11日に行われた韓国国内の五輪招致都市選考で、釜山を抑えて招致申請都市に決まった。2日後の13日には、ソウル図書館の外壁に、立候補決定を祝う垂れ幕が掲げられた。「ソウルと平壌が手と手を取り合って」という文言の隣に、2人の人物が金の聖火トーチを持つシーンがデザインされている。聖火トーチには韓半島の地図が描かれている。地図の東側には鬱陵島が描かれているが、独島は見当たらない。鬱陵島と独島は、公共機関が発行する冊子はもちろん、主なポータルサイトやニュースの天気予報で表示される地図にも必ず表示される。島として描くのが難しい場合には、別枠を設けて必ず独島を表示している。
このため、垂れ幕の地図に独島が描かれていなければ、外国人に誤ったメッセージが伝わるとの懸念もある。ソウル市庁の向かい側にある徳寿宮周辺は日本・中国・東南アジアの旅行客の観光ルートになっている。ソウル市側は「わざとではなく、ミス」と釈明した。市の関係者は「韓半島と周辺海域のイメージを垂れ幕用のデザインに起こす過程で独島が抜け落ちたようだ」として「独島の表示については地理的要素だけでなく心理・感情的な要素も勘案すべきという点を見過ごしていた」と話した。