事件・事故
国政介入:整形手術・祈とう…「空白の7時間」疑惑に実態なし=文政権検察
貨客船「セウォル号」が沈没した2014年4月16日の朴槿恵(パク・クネ)被告(当時大統領)の行動について、いわゆる「セウォル号空白の7時間」と言われる疑惑は実体がないことが文在寅(ムン・ジェイン)政権の検察捜査で明らかになった。検察がこの疑惑について詳しく捜査したのは今回が初めてだ。検察は28日、セウォル号事故の報告時間操作事件に関する捜査結果を発表、「朴槿恵被告が7時間に何をしていたかをめぐり、複数の憶測や陰謀論が飛び交ったが、実際にはそうしたことはなかったと確認された」と述べた。今回の捜査は、現政権の大統領府が昨年10月に「朴槿恵政権はセウォル号関連文書を操作・ねつ造した」との疑惑を提起したことから行われた。
「セウォル号空白の7時間」疑惑は2016年末から昨年初めまで続いた大統領弾劾局面で、朴槿恵被告に不利に作用した重要な要素だった。「朴槿恵被告はソウル市内のホテルで特定の人物と密会していた」「整形手術を受け、(鎮静剤・向精神薬)プロポフォール注射をして寝ていた」「大統領府内で巫女(みこ)の祈とうをしていた」といううわさまで飛び交った。
文在寅政権の新たな文書操作疑惑提起に基づき、検察は「セウォル号空白の7時間」の全容を明らかにするため、大統領府国家安保室勤務26人や、大統領府秘書官8人など、計63人を110回にわたり調査した。その結果、朴槿恵被告はセウォル号事故当日の午後、中央災害安全対策本部を訪問した時を除き、大統領府官邸にとどまっていたことが分かった。朴槿恵被告は前日、咽喉(いんこう)炎の治療を受けており、体調が良くなかったという。官邸を訪れた人物も、事前に来る約束になっていた親友・崔順実(チェ・スンシル)被告と美容師、看護将校だけだった。検察関係者は「陰謀論が介入する余地はない」としている。
文在寅政権が文書操作疑惑提起の根拠としている「最初の報告時間を意図的に遅らせた(午前9時30分→午前10時)」という主張も、検察の捜査の結果、事実ではなかった。任鍾ソク(イム・ジョンソク)大統領秘書室長は「報告時点から大統領の最初の指示までの時間差を縮めようという意図にしか思えない。最もひどい国政介入の典型的な事例だ」と言っていた。
しかし、検察は「セウォル号の最初の報告草案を作り始めたのが9時30分で、完成したのが10時だったという意味だ」と説明した。最初の報告時間が9時30分という主張には根拠がないということだ。