韓国の市民団体が19日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領をノーベル平和賞に推薦するための委員会を発足させる動きを見せたことに関連し、韓国大統領府(青瓦台)は20日、「望ましくない」との立場を示した。世論の批判も高まったことから、同団体は推進委の発足を中止し、団体の解散を宣言した。

 青瓦台は同20日、2度にわたり対応に当たった。午前中には青瓦台関係者が取材陣に対し「(市民団体が文大統領のノーベル平和賞受賞を推進していることは)われわれとは何の関係もない」と明言した。しかし青瓦台ウェブサイトの請願用掲示板に「権力に迎合するこのような団体は解散させるべき」との書き込みが寄せられるなど、騒動は収まらなかった。すると同日午後には金宜謙(キム・ウィギョム)報道官が火消しに乗り出した。金報道官は論評で「ある団体が(文大統領のノーベル平和賞受賞)推進委を設立するとのことだが、文大統領とは何ら関係がなく、このような動き自体が望ましくないこと」と述べた。さらに「似たようなことが繰り返されないようにすべき」と話した。

 市民団体「大韓民国職能フォーラム」は19日、文在寅大統領をノーベル平和賞に推薦するための委員会を発足させるとして、20日に発起人集会を開催すると発表していた。文大統領が平昌五輪を通じて南北の和解ムードと韓半島(朝鮮半島)の平和ムードをつくり出したというわけだ。この団体には昨年の大統領選挙の際に文氏の選挙陣営で活動したメンバーも参加していたという。

 同フォーラムは批判の高まりを受け、20日に緊急運営委員会を開催して推進委の発足を中止するとともに、団体の解散を決めた。団体の関係者は本紙の電話取材に対し「良い趣旨で始めたことだったが、あまりにも意図がゆがめられてしまったため、解散を決めた」と話した。

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