▲2018年の東京…20日、新大久保のコリアタウンで、韓国料理店に入るため長蛇の列を作る日本人客。写真:東京=イ・ドンフィ特派員

 今月13日午後、新大久保(東京都新宿区大久保・百人町一帯)のコリアタウン。韓国語の看板を掲げた飲食店や化粧品店、カフェが日本人客で混み合っていた。韓国料理店の前に並んでいた女子高生イシダカナコさん(18)は、最近の薄氷を踏むような韓国と日本の外交関係について質問されると、「それはそれ、韓流は韓流。(慰安婦合意破棄問題に関することは)大人たちの話。私とはあまり関係のないこと」と答えた。

 2012年以降の韓日関係悪化に触発された日本国内の反韓ムードで「没落の危機」に陥っていた東京のコリアタウンが復活しつつある。新大久保の韓国商店数は15年に330店まで減ったが、今年1月には440店と再び増えていた。近くの不動産関係者は「韓流ファンが再び集まり、1階で1坪3万円まで下がっていた賃貸料が5万円に跳ね上がった」と話す。

■新韓流世代が主導する「新大久保」復活

 新大久保は韓国ドラマやK-POP人気により韓流ファンでにぎわっていたが、12年の韓日関係悪化の直撃を受けた。日の丸を持って「ヘイトスピーチ(hate speech:人種差別的な嫌悪発言)」を浴びせる嫌韓デモ隊400-500人が新大久保を占領した。新大久保語学院のイ・スンミン院長は「ここは韓流の街だったのに『デモとヘイトスピーチの街』になってしまい、『新大久保は危険な場所』というイメージが定着してしまった」と言う。12年に4万1017人だった一日の訪問者数が13年には3万7996人へと減少した。2002年の韓日共催サッカー・ワールドカップ時、両国国民が集まって応援し合い、韓日友好の象徴となった「大使館」などの韓国料理店も次々と閉店した。13年に628店あった新大久保の韓国商店数は15年に約330店まで減少した。

 新大久保が復活したのは、韓日関係にそれほど神経をとがらせない10-20代を中心に「新・韓流世代」が形成されたためだ。読売新聞は先日、「旧世代が日韓関係の悪化などに神経をとがらせて韓流ブームも浮き沈みがあったが、最近の若者層はそのような傾向が薄くなってきている」と報道した。東洋大学の島川崇教授は「文化消費において、外交問題など政治的に流されない新世代が韓流の前面に登場したもの」と分析している。

■韓国文化を楽しむ日本の新韓流世代

 従来のメディアではなくソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や動画共有サイトなどで情報をやり取りする新韓流世代は、旧世代とは違って政治的な偏見に染まっていない。彼らは韓国の文化を食べ、聞き、見ているのだ。

 新大久保の商店関係者たちは「日本の少女たちの足を新大久保に向けさせる原動力の1つは、2016年末に流行し始めたチーズタッカルビだ。チーズタッカルビが観光客の20%を集めている」という声まである。チーズタッカルビを初めて売り出した韓国食品店「ソウル市場」の関係者は「午前11時に並んだら、店内に入れるのは2時過ぎになる。冷たい風の中で待ち続ける日本人のお客様に申し訳ない思い」と言った。会員数750万人、規模にして日本第4位というインターネット通信販売サイト「Qoo10(キューテン)」では、もち米ホットクミックス、ハニーバターチップ、ブルダック炒め麺など7つの韓国製品の詰め合わせセットが食品部門1位になったこともある。

 韓国製化粧品も人気だ。アモーレパシフィック・グループの「ETUDE HOUSE(エチュードハウス)」、韓国の20代女性に絶大な人気を誇る衣料品・化粧品ブランド「STYLE NANDA(スタイル・ナンダ)」の製品が最近特に人気急上昇中だ。新大久保の韓国コスメショップ「SKIN GARDEN(スキンガーデン)」に来ていたサトウエムさん(20)は「カラーが豊富で、値段も安いので毎月ここに来ている。これを使うと韓国のアイドルのようになれそう」と言った。同ショップのパク・チョンジュ社長は「2012年から15年までの暗黒時代を耐え抜いた店の多くはまた好況を迎えている」と語った。韓国製化粧品の日本向け輸出は15年まで下がり続けたが、16年は前年比33%、昨年は同23%成長した。

■よみがえったK-POP

 K-POP人気もよみがえった。最も人気のある芸能人の大型写真が掲げられることで有名な東京・渋谷駅前の「渋谷109」には、2010年代以降、韓国人歌手が登場したことはほとんどなかった。しかし、最近はEXOやBLACKPINKなどが登場した。防弾少年団やWANNA ONEも韓国での人気に劣らず、日本でも人気だ。日本に輸出されたK-POPコンテンツは、2010年の712億ウォン(約74億円)から16年には約3000億ウォン(約311億円)へと4倍に増えた。韓国大衆文化ジャーナリストの古家正亨氏は「K-POPは今やどこでも見られる主流文化の一部になったと思う。成長する少女たちと共に『持続可能な韓流』になるだろう」と分析した。

 大手エンターテインメント企業CJ E&Mはグローバル韓流フェスティバル「KCON(ケーコン)」の今年初の開催地が日本に決まったと22日、発表した。同社関係者は「日本で開かれたKCONの参加者数は1年目の2015年に1万5000人だったが、16年3万3000人、昨年は4万8500人と着実に増えている」と語った。

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