旧日本軍慰安婦の強制動員に日本政府が介入していたことを示す日本の公文書が韓国語に翻訳され、19日に公開された。日系韓国人の保坂祐二・世宗大教授は同日、ソウル市内の世宗大で記者会見を開き「日本軍が慰安婦を組織する過程に日本政府が便宜を図った」として関連資料を発表した。保坂教授は今回「従軍慰安婦関係資料集成」を翻訳・分析した。この資料は日本政府が作成して保管していた公文書をアジア女性基金が編集し、1997年に出版したものだ。保坂教授は東京生まれで、韓日関係の研究に従事し、2003年に韓国国籍を取得。09年から世宗大独島総合研究所の所長を務め、日本による独島(日本名:竹島)領有権の主張に反論してきた。

 研究によると、日中戦争当時、日本軍は天皇直属で運営され、「皇軍」と呼ばれて莫大な権限を保持していた。日本政府は軍の決定に全面的に従った。保坂教授は「中国に駐屯していた日本軍が慰安婦動員を決定し、現地の日本外務省の総領事館に協力を要請した。総領事館は内務省に依頼し、内務省は各警察署に慰安婦募集の許可を出した」と説明した。保坂教授は、領事館内の武官室が慰安所の設置と性病検査を準備し、領事館は業者と慰安婦の渡航を担い、港で慰安婦らを憲兵隊に引き渡したと説明した。

 保坂教授はその根拠として、これらの内容が書かれた文書を提示した。日本の内務省警察局による1938年2月7日付の文書「時局利用婦女誘拐被疑事件に関する件」には、「内務省から警察に非公式に慰安婦募集に関して依頼し、相当な便宜を図った」という警察署長の陳述がある。上海総領事館が慰安婦動員の役割と責任の分担を決めたことや、内務省幹部が慰安婦動員を許可し、便宜を図ることを命じたことを示す内容も公開された。

 保坂教授は「1938年に始まり45年まで続いた慰安婦の動員体系には、日本軍と業者だけでなく日本政府も含まれていた」として「日本政府も共犯として法的責任を負うべき」と主張した。

 「従軍慰安婦関係資料集成」に含まれる資料は、アジア女性基金の専務理事を務めた和田春樹・東大名誉教授らが収集した。保坂教授は和田教授と協力して昨年から資料の韓国語への翻訳を進め、全5巻のうち1巻の主な内容を今回発表した。全ての翻訳が終わった段階で出版される予定だ。

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