中国共産党の機関紙「人民日報」の姉妹紙「環球時報」は7日付の社説で、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の発射台4基の追加配備が韓国で完了したことを取り上げ、非常に下品な言葉でこれを非難した。同紙はTHAADを「悪性の腫瘍」に比喩し「(韓国の)保守層はキムチばかり食べて頭がおかしくなった」「韓国は北朝鮮の核開発と大国間の勢力争いの中を漂う浮き草に転落するだろう」などと非常に下品な言葉で紙面を埋めた。中には「韓国は寺や教会であふれているのだから、その中で心を落ち着かせる祈りでもやっていろ」とばかにするような言葉もあった。

 中国メディアは全てが例外なく中国共産党の宣伝機関だ。そのため中国共産党が決めた指針通りにしか報道しない。ただその中でも人民日報は比較的上品な言葉を使うが、その姉妹紙の環球時報は平気で下品な言葉を使う。中国ではこの環球時報が中国共産党の本音を代弁すると考えられているようだ。

 韓国はTHAAD配備をやりたくてやっているわけではない。北朝鮮の核とミサイルがなければTHAADも必要ない。中国は北朝鮮を露骨に擁護しながら、THAADだけは激しく非難している。また日本に配備されているXバンドレーダーの方がはるかに高性能だが、それについては何も言えない。韓国のTHAADは終末迎撃用で中国には何の関係もないことをいくら説明しても聞く耳さえ持たない。中国は韓国を手なずけようとしているが、結局は失敗するだけだ。今回の環球時報のように下品な非難を続ける態度は、習近平・国家主席を頂点とする中国共産党指導部のレベルそのものだ。

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