文在寅政権
韓国大統領府、大統領専用機内部写真を公開後に削除
ドイツで開催された20カ国・地域(G20)首脳会議の期間中、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が搭乗した韓国空軍1号機の内部、さらに警護室の幹部や乗務員らの顔が撮影された写真を韓国大統領府が10日に大統領府の公式フェイスブックを通じて公開したが、「機密を流出させた」との指摘を受け翌11日に写真の一部を削除した。大統領府が前日「一日ドラマ、大統領府の人たち」という題目で掲載した問題の写真(24枚)には、文大統領と大統領府のスタッフらが同機に搭乗し、機内から京畿道城南市のソウル空港滑走路や空港内部をみつめる様子、さらに操縦席で朱英訓(チュ・ヨンフン)大統領警護室長が関係者から運航スケジュールや安全上の規則などについて説明を受ける様子などを撮影した写真も含まれていた。またこの専用機に大韓航空から派遣されたキャビンアテンダント2人、空軍関係者2人の写真も同時に公開された。大統領府警護部長が座席前に設置された電話を受ける様子を写した写真もあった。この電話は大統領から直接連絡を受けるためのものだという。大統領府は「有事の際、大統領からの緊急電話を受け直ちに対応できるよう設置されたもの」とする説明も加えていた。
ところが写真が公開された直後、空軍や大統領府警護室、さらに大韓航空などから「セキュリティー上の機密事項とされている1号機内部の機器、さらに警護室幹部の顔などは公開すべきでない」といった指摘や抗議が相次いだという。通常、警護室は警護業務に支障が出ないようにするため、職員の顔や職責が写真を通じて特定されないよう内部の規定に従って普段から注意を払っている。また大韓航空も同じ理由で大統領専用機に派遣される乗務員の人事については非公開だ。抗議が相次いだことを受け、大統領府は11日午後に警護部長、大韓航空乗務員、空軍関係者などが写った2枚の写真をフェイスブックから削除した。
大統領府が写真を公開し、これが「機密流出」などと批判を受けたことは以前にもあった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時の2007年、国家情報院の金万福(キム・マンボク)院長(当時)と幹部らがソウル市内の国立顕忠院を参拝した際、その様子を撮影した写真を撮影担当者がネットメディアに流出させ、幹部らの顔が6時間にわたりネットを通じて公開された。問題発覚直後、大統領府は懲戒委員会を立ち上げてこの撮影担当者を罷免し、李海成(イ・ヘソン)大統領府広報首席ら関係者に警告処分を下した。