国政介入事件で起訴された崔順実(チェ・スンシル)被告(60)の娘、チョン・ユラ容疑者(20)が、2014年に妊娠後に家出し、「私には母がいない」として崔被告と絶縁まで考えていたとの証言が飛び出した。

 証言したのは、31日にソウル中央地裁で行われたサムスン電子副会長の李在鎔(イ・ジェヨン)被告(贈賄罪などで起訴)の公判に証人として出廷したパク・ウォンオ元大韓乗馬協会専務。

 パク元専務は、崔被告の最側近とされる人物で、ドイツで崔被告と娘を支援していたといわれている。

 パク元専務はこの日の公判で、チョン・ユラ容疑者が妊娠してからドイツに拠点を移すまでの過程について陳述した。

 パク元専務によると、崔被告は2014年9月、チョン・ユラ容疑者がアジア大会の馬術団体戦で金メダルを獲得して以降、パク元専務との連絡を絶った。そして同年の12月に再び連絡が来て、娘のユラ容疑者を探してほしいとパク元専務に依頼したという。

 パク元専務は「崔被告は泣き声でチョン・ユラ氏が家出したことを話した。連絡が取れないのでどこにいるのか探してほしいと言ってきた」と証言した。

 うわさなどを頼りにパク元専務はチョン・ユラ被告がソウル市冠岳区新林洞の辺りに住んでいることを突き止め、新林駅近くのカフェでチョン・ユラ容疑者に会った。このときチョン容疑者は男性と一緒で、妊娠していてお腹が膨らんでいたという。

 パク元専務は「(チョン氏が住んでいる)家に行ったが、小部屋のようなところだった。これでいいのかと説得したが、チョン氏は絶対に帰りたくないと拒否した。そして『私には母がいない』と言って、(母親の)崔氏に対する不満を口にした」と説明した。

 パク元専務からこの事実を聞いた崔被告は「流産させるのがいちばん良い」と話したという。パク元専務が思いとどまらせると、崔被告は「(めいの)チャン・シホも外国で出産したので、ユラも海外で出産するよう説得してほしい」とパク元専務に頼んだという。

 チョン・ユラ容疑者は「母が子どもを冷遇する可能性が高い」として拒否し、結局済州島で出産することを決めた。

 パク元専務によると、崔被告は娘が妊娠したことを恥ずかしく思い、出産前からドイツへの移住を準備していたという。

 パク元専務は「崔氏が『子どもを生んで、ここ(韓国)で何をするというのか。ドイツで乗馬をして暮らせばいい』と言った。そのため崔氏の依頼で15年4月にドイツに渡った」と証言した。

ホーム TOP