日本のフィギュアスケート界の「看板スター」浅田真央(26)が12日、記者会見を開き、現役を引退する心境を語った。

 浅田はこの日、東京都内のホテルで行われた引退会見で、引退を決めるに至ったきっかけや心境などを語った。会場には400人以上の取材陣と45台以上のテレビカメラが集結し、現地メディアは浅田の引退について争うように報じた。

 浅田は10日夜遅く、自身のホームページで「突然ですが、フィギュアスケート選手として終える決断をしました。今まで長くスケートができたのも、たくさんのことを乗り越えてこられたのも、多くの方からの支えや応援があったからです」と引退を正式に発表した。

 12日の記者会見で、浅田は五輪の金メダリストでライバルだった韓国のキム・ヨナについて問われ「お互いにいい刺激を与えあえる存在だった。スケート界を盛り上げてこられたと思う」と話した。

 浅田は現在の心境を問われると「家族や友人に引退を伝えたら『お疲れさま。よく頑張ったね』と言ってくれた。そういう言葉を聞いて、選手生活が終わるんだということを実感した」と答えた。

 引退を決心した時期については「(昨年12月に行われた)全日本フィギュア選手権の後、悩んだ末に2月ごろ引退を決意した」としながらも「将来、平昌五輪への出場を諦めた自分自身を許せるのか、という思いもあった」と明かした。

 浅田は2010年のバンクーバー五輪に関する質問に「当時は10代だった。若くて気が強くて、その強い気持ちだけで乗り越えてきた」と話した。浅田はバンクーバー五輪でキム・ヨナに敗れ、銀メダルに終わった。

 また、浅田は14年ソチ五輪について「残念な結果だったので気持ち的にはつらかったが、最高の演技で終えることが出来た」と話した。そして、フィギュア人生で最も記憶に残る場面として、ソチ五輪のフリーの演技を挙げた。浅田は「ショートでは非常につらかったが、それを挽回する演技ができた。それが五輪の舞台だったことが特によかった」と話した。このソチ五輪でキム・ヨナは銀メダルを獲得したが、浅田はミスが続き、総合6位に終わった。

 今後については「5歳から今までスケートだけをやってきた。今後はどんな形でもスケートの分野に恩返しをしたい」と話した。結婚については「予定はない」と答えた。

 生まれ変わってもスケートをやるのかとの質問には「恐らくスケートはやらないと思う。食べることが好きなので、ケーキ屋さんとかカフェをやっていたのかなとも思う」と答えた。

 浅田は取材陣の質問には明るい表情で答えていたが、最後のあいさつでは涙を見せる場面もあった。

 一方、キム・ヨナの所属事務所は浅田の引退について「コメントはしない」と明らかにした。

ホーム TOP