韓国統計庁が7日に発表した2015年国勢調査の結果は、単身世帯の急増など韓国社会の変化を示し、話題を呼びました。政府の政策や企業経営に反映すべき内容が多く、省庁や大企業は結果を丹念に分析しているといいます。大きな仕事をやり遂げた統計庁は得意げですが、一方では気がかりなこともあるようです。今回は姓と本貫(姓氏発祥の地)の調査もあわせて行われたため、珍しい姓の宗親会(姓と本貫が同じ人たちの組織)から問い合わせや抗議が殺到するのではないかと心配しているのです。

 国勢調査は5年ごとの実施ですが、姓と本貫の調査は15年ごとで、1985年、2000年に続き今回が3回目でした。姓ごと、本貫ごとの世帯数と人口に関する政府の唯一の「公式統計」ですが、発表のたびに統計庁は困惑させられてきました。「ほかの本貫は人口が急増したのに、私たちの本貫だけ減っている。調査結果を信じられない」といった抗議が寄せられるためです。中には「姓の調査では毎回、(統計庁が)勝手に数字を増やしたり減らしたりする。今回はきちんと行われたのか、じっくり検証したい」と話す宗親会の関係者もいます。

 実際、物議を醸す部分があるのは確かです。例えば、本貫が慶州の慶州許氏は1985年の調査では59世帯、271人でしたが、2000年の調査では2199世帯、6774人と約25倍に急増しました。ところが、15年後の今回調査では「その他(1000人未満)」に分類され、正確な人口が公表されませんでした。

 また、00年の調査で、氷氏など一部の珍しい姓は全国に1人しかいないと発表され、該当する宗親会から激しい抗議が寄せられました。統計庁は、00年の調査までは訪問調査の際に回答者が漢字を間違えて書いたり間違った本貫を選んだりするケースがあったとし、今回からは家族関係証明書などの行政資料を基に調査したと説明しました。

 同庁は過去のような論争を避けようと、今回の調査では珍しい姓や本貫は個別に人口を発表せず、「その他」にひとくくりにしました。「データ上のミスや個人情報侵害の可能性を考慮し、具体的な数値を発表しない」ということです。その代わり、宗親会などから問い合わせがあれば該当の姓と本貫について具体的な数値を提供するとしています。

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