コラム
【コラム】バブルに対処した日本に学べ
日本のバブル崩壊以降(1993-96年)の実話をベースにした金融小説「金融腐蝕列島」を見ると、現在の韓国の風景と全く同じ状況が少なくないため、読者を驚かせる。
政府(大蔵省、現財務省)が住宅金融専門会社の不良債権処理を遅らせようとした点、不良債権処理のプロセスで金融業界幹部に対立が生じた点だ。企業の巨額の不良債権に寄生する個人が続出した点も共通している。
中でも最も似ていると感じたのは、大蔵省銀行局長が「住宅不良債権をこれ以上見過ごすことはできない」として、6兆7000億円の公的資金投入を決めたにもかかわらず、世論が「なぜ税金で不良債権を防がなければならないのか」と反発した点だ。
大蔵省はまた、銀行の健全性を強化するため、いわゆる「金融三法」を制定したが、国会は法案を審議せず、不良債権の責任を追及する聴聞会ばかりを相次いで開いた。混乱の渦中に国会が空転するさまは韓国の現状と全く同じだ。
韓国でも翻訳出版されたが、売れることはなかったこの小説を今になって取り上げるのは、過去の事例を通じ、消耗戦を回避できたらという思いからだ。
「住宅不良債権をこれ以上見過ごすわけにはいかない」「皆さんが公的資金の投入を望まないのは理解するが、良い方法があれば教えてほしい」と訴える小説中の西岡正久(実在の人物は西村吉正)大蔵省銀行局長の姿は韓国の任鍾竜(イム・ジョンリョン)委員長とどこか重なって見える。
任委員長をはじめとする金融委員会が大宇造船海洋の処理を100%うまくやったとは言えないが、明らかに指摘すべき点が2つある。まず、任委員長が銃を取り困難な戦いを始めた点、そして大宇造船海洋の経営正常化がまだ完了していない点だ。
金融委がたとえ遅きに失したとはいえ、企業の不良債権に手を付けた点は積極的に評価すべきだ。現代商船、韓進海運、そして大宇造船海洋に至るまで数多くの企業がなんとか利払いを続け、元金を返済できずに一度に破綻する状況は想像するだけで恐ろしい。金融委が手を付けたからこそ破局を回避できた。
企業の構造調整はまだ終わっていない。金融委幹部は「構造調整を担当すれば、他の仕事は何もする気が起きない」と話す。そんな状況でも国会は聴聞会を計画し、その過程でも金融委関係者を国会に呼び付け、たたいている。
無論是非をただす手順は必ず必要だ。しかし、企業の構造調整は韓国の未来に向け必要なことだ。責任追及に気を取られ、すぐにすべきことができない状況につながらないことを願っている。ちなみに小説中の西岡局長は銀行協会に対する長文の声明を発表した後、辞任する。