社説
【社説】韓国人の乱暴運転、交通違反者に赦免を繰り返す限り減らない
韓国政府は12日、李在賢(イ・ジェヒョン)CJグループ会長など4876人に対する特別赦免を断行し、各種の交通法規違反者など交通事犯142万人についても特別減免を実施した。昨年7月13日から今年の7月12日までの間に、交通法規違反で罰点を科されたり免許停止・取消処分を受けたりした人が対象で、このうちおよそ129万人は全ての罰点が削除される。免許停止中、もしくは免許停止手続が進行中だったおよそ6万8000人は、きょうから自動車の運転ができる。
生業のため自動車が必要な庶民・中産層に配慮するという赦免の趣旨については、誰も反対はできない。しかし問題は、赦免が交通事故の増加につながっているという現実だ。交通法規違反者に対する大規模な赦免があると、次の年は例外なく交通事故の発生件数が増加する。1998年に交通法規違反者552万人を特別赦免したら、翌年は交通事故が15%も増えた。
韓国政府は、昨年の光復節(8月15日)特赦で交通法規違反者220万人、14年の旧正月にも288万人を対象に特別減免を行った。大量赦免の乱発により、交通法規違反者は道徳的な節度を失って安全不感症が拡大し、自分勝手な乱暴運転が減らない。それでなくとも、蓬平トンネル観光バス追突事故のような大規模な交通事故は頻発している。無秩序な運転がますますひどくなり、自動車を運転するのが怖いという韓国人は多い。今回は飲酒運転・死亡事故・乱暴運転などは赦免の対象から除外したというが、特赦が毎回行われると、「交通法規は違反してもまたすぐに赦免されるだろう」という認識が広がってしまう。
韓国の歴代政権が交通法規違反者の赦免を繰り返す理由は、数が多いため、「大規模な恩恵を施した」と手柄にしやすいからだ。単純なミスで法規に違反してしまったり、違反の回数が少なかったりする人は救済してやるべきだ。しかし常習違反者や、過去に一定の回数以上赦免を受けている人物は、対象から除外するのが当然だ。