野球
MLB:故障者続出の韓国人大リーガー、背景に韓国野球の「美徳」
韓国人大リーガーが相次いで故障に苦しめられている。20日、柳賢振(リュ・ヒョンジン、29)=ロサンゼルス・ドジャース=と金賢洙(キム・ヒョンス、28)=ボルチモア・オリオールズ=が15日間の故障者リスト(Disabled List=DL)入りした。 21日にワシントン・ナショナルズ戦に登板予定だった柳賢振はひじの炎症、金賢洙は右太ももの筋肉を痛めたためだ。
■相次ぐ「故障リレー」
今年、韓国人選手の中で最初に故障が伝えられたのは秋信守(チュ・シンス、34)=テキサス・レンジャーズ=だった。開幕直後にふくらはぎや太ももを痛め、2回故障者リスト入りした。秋信守は今月初めにも打撃時に背中に痛みを感じて交代した。今季3回目の故障者リスト入りを避けて薬による治療にこだわり、19日に代打、20日には守備の負担がない指名打者(DH)で出場した。20日は5打数無安打2三振と振るわなかった。
李大浩(イ・デホ、34)=シアトル・マリナーズ=も本調子ではない。李大浩は先月10日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦で右手などを痛めて交代、そのまま公式戦の前半戦を終えた。後半戦の初出場試合で4打数2安打を記録したが、その後20日までの4試合は12打数ノーヒット5三振と不振だ。マイナーリーグに落ちた朴炳鎬(パク・ピョンホ30)=ミネソタ・ツインズ=もキャンプ時から右手首のけがに悩まされていることが分かった。
■けがは隠すほど大きくなる
韓国のプロ野球は個人よりもチーム成績を徹底的に優先させる。韓国では軽いけがを押してプレーすることを「美徳」とみなす傾向が強い。朴炳鎬はキャンプ時から手首に違和感を覚えていたが、言い訳になると思って周囲に言わなかったという。
野球解説者のミン・フンギ氏は「かつての朴賛浩(パク・チャンホ)や金炳賢(キム・ビョンヒョン)のように、渡米した選手は自分の肩に韓国の野球の名誉がかかっていると考え、ファンの期待に応えようと復帰を急ぐあまり、かえって故障を深刻化させた。体の調子が悪ければ球団に早く伝えて完全に治すことが重要だ」と指摘した。同じく野球解説者のチェ・ヒソプ氏も「大リーグは日程がタイトで移動距離が長く、体力の負担が非常に大きい。7月からは誰が体調管理に成功するかがカギになるだろう」と語った。