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「テコンドーの殿堂」国技院、罵声と汚物が飛び交い大混乱
「テコンドーの殿堂」と言われる国技院がもみ合いと罵声(ばせい)で大混乱になった。
国技院は15日、臨時理事会を開き、新理事長と理事の選出について話し合おうとしたが、市民団体メンバーやテコンドー関係者らの反発により、理事会の開催そのものが失敗に終わった。これらの人物はソウル市江南区にある国技院の会議室入口をふさぎ、国技院の職員ともみ合いになった。会議室前の廊下には汚物と見られる物が投げつけられて悪臭が漂い、警察が出動する事態になった。
国技院ではこの日、3年の任期が16日付で終わる洪文鐘(ホン・ムンジョン)現理事長=与党・セヌリ党議員=の後任と、空席になっている理事を選ぶ件について話し合う予定だった。国技院理事会は現在、23人(職権による2人を除く)のうち11人が任期満了などで退任することになっている。
洪理事長はセヌリ党事務総長だった2013年に国技院理事長に選出された。翌年、国会が「国会議員の体育団体長兼職禁止」を決定、辞職勧告を受けたが、洪理事長は最後まで任期をまっとうした。テコンドー関係者の周辺でこのところ、「洪理事長は自身の勢力体制を構築、再任しようとしている」との批判が飛び交うと、洪理事長は「任期までに懸案をできるだけ決着させるつもりだ。再任はしない」と宣言した。
しかし同日、市民団体メンバーや関係者らは「退任を翌日に控えている洪理事長が新理事長や理事の選出に関与するのは間違っている」として国技院前に集まった。その主張の核心は「洪理事長は自身の側近を理事会に残し、退任した後も国技院を掌握し続けようとしている」というのだ。
一部の関係者は、3日に新たに選出されたオ・ヒョンドゥク新国技院長に対しても同様の流れから問題にしている。オ新国技院長は、退任する洪理事長主宰の理事会で国技院長になった。この日の事態について、洪理事長側は「次期執行部を掌握しようとするテコンドー界内部の派閥争いのせいでこうした事態になった」と述べた。
国技院は同日の理事会開催を妨害した人物に対して法的措置を検討することを表明した。国技院は2013年にも派閥争いで汚物が投げつけられる事件が発生、理事会が開催できなかったことがある。