われわれは、読書を通じて直接経験することができなかった知識や技術を得ることができるほか、想像力を培って文化を創造する。これは、積極的に本を読まなければならない理由だ。しかし、どうせ読書に没頭するなら、より深く理解することができる方法を積極的に活用する必要性がある。その方法の一つが「ハングルと漢字の混用」だ。

 ある者は、漢字が外国の文字だと排斥する。われわれの先祖が2000年以上にわたって使用してきた文字を「外国の文字」だと言って一蹴するには、これまで蓄積されてきた知識と意味の量からするとあまりにももったいない。読書国家として知られる日本は、小学校の時から漢字を教える。日本人が漢字を活用するのは「お前の刀も私のさやに収まれば私の刀だ」という実用主義的な考え方が根底にある。

 ハングルだけで書かれた書物は読むのが容易だが、意味を把握するのには漢字混用の書物よりも非効率的な側面がある。ハングルだけで表記した場合、直ちにその意味が分からないケースが多い。製字で見るとハングルは科学的に非常に優秀だが、表音文字である漢字よりは伝達速度が遅れる。表意文字である漢字は見た瞬間にその意味が分かるが、ハングルは音を表記した文字であるためその音を読んでこれが聴覚映像を刺激。概念(意味)と結合して意味を喚起する。

 ハングルだけで書かれた文章よりも、1行ごとに漢字が数文字ずつ交じっているハングルと漢字の混用文の方が速く読めるし、リラックスできる。文章中に出てくる漢字の意味を理解してこれを読むことで、文章の理解にも役立つ。また、漢字で表記されたものは1単語、1文節が一目で入って来るが、ハングルで表記されたものは1文字、1文字を全て同じ速度で読まなければならない。

 文語は80%以上が漢字語で、学術用語はそのほとんどが観念語と抽象語で構成されており、ハングルで表記すると読んでもその意味がよく分からない。ハングルだけで表記された学術書は、どうしても可読性に欠ける。日本人は漢字1文字を識別するのにかかる時間は1000分の1秒以下だという。日本人は小説も漢字を交ぜて書く。2、3日もあれば300ページの本を全て読むのは茶飯事だという。

 一目で意味を理解して本を読んでいくには、漢字の有用性を無視することができない。韓国人も読書の能率を高めるために、学校漢字教育から強化して、漢字とハングルで書かれた混用文を自由自在に読むことができる力を育まなければならない。これは国家競争力を高める道でもある。

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