社会総合
日本でパチンコに興じる韓国プロスポーツ選手たち
プロ野球韓国シリーズで4年連続の優勝を成し遂げたサムスン・ライオンズの主力選手たちが、海外遠征の際に賭博に興じていたとの疑惑が浮上している。単なるうわさにとどまらず、警察が本格的な捜査に着手するほどの具体的な状況が伝わっており、衝撃が広がっている。
韓国で最高の人気を誇るプロ野球の世界では、これまでにも賭博をめぐる一定程度の騒動が起こったが、その都度忘れ去られてきた。2000年のシドニー五輪の際、野球韓国代表の一部の選手が予選期間中にカジノに出入りしていたことが分かり、大きな論議を呼んだ。08年には、プロ野球選手がインターネットのバカラ賭博サイトを通じて違法な賭博をしていたことが判明し、うち3人が500万-1000万ウォン(約53万-105万円)の罰金刑を受けた。野球界だけでなく、バスケットボールやサッカーなどほかのスポーツ選手による賭博事件が起こったこともある。
今ではほとんど見られなくなったが、1980-90年代にはプロ野球選手の宿舎で賭け花札がたびたびおこなわれていた。選手同士、コーチ同士で試合後に花札やカードゲームに興じることで、ストレスを発散させていた。インターネットの発達により、複数人で花札に興じるのではなく、一人で誰にも見られず楽しめるオンラインゲームが流行するようになった。オンラインの賭博ゲームを通じ、ゲームマネーを手にしたことで、今度は実際のカネのにおいをかぎたくなるのが人間の心理だ。賭博サイトだけでなく、必然的に本物のカジノや私設賭博場(通称:ハウス)に目が向き、関心が高まるようになった。
バスケットボール界では、数年前に地方のチームの監督とコーチが私設賭博場に出入りしたとして略式起訴され、罰金刑を受けたことがある。また首都圏のあるチームの監督は、韓国人の出入りが可能なカジノ「江原ランド」(江原道旌善郡)のVIPルームにたびたび出入りしているとのうわさが流れ、監督やコーチを選任する前にチーム側が自主調査を行うようになった。
プロスポーツ選手たちは、日本のパチンコを通じてギャンブルにはまるケースがかなりある。とりわけ、日本で自主トレを行うプロスポーツ選手の多くがパチンコに興じるとされている。各チームも、パチンコ店の営業時間や配当金が制限されていることから、一種の「休息」と見なし、大掛かりな制裁を行うことはない。だが、パチンコもギャンブルの一種であることに変わりはない。
あるプロ野球チームの幹部は「プロ入りしてから日が浅い選手が、1カ月間の自主トレの期間中、年俸の大部分に相当する数千万ウォン(数百万円)もの金をパチンコに使い果たすケースもある」と話した。
パチンコにはまった選手や指導者たちが、自主トレ期間だけでなく、シーズン中にも時間を見つけては日本への「遠征賭博」をしていることは、スポーツ界では公然の秘密だ。勝負への欲が強いスポーツ選手たちが、パチンコだけで満足せず、目を向けるようになるのは結局、数億ウォン(数千万円)もの金を手にすることも、失うこともある、スリルに満ちた賭博場だ。